西山浄土宗

西山浄土宗とは

西山浄土宗（せいざんじょうどしゅう）は、京都府長岡京市に位置する光明寺（粟生光明寺）を総本山とする、浄土宗の一派です。広義の浄土宗に属し、阿弥陀如来を本尊として、浄土三部経を教義の根拠としています。

総本山

西山浄土宗の総本山は、報国山念仏三昧院光明寺（通称：粟生光明寺）です。所在地は京都府長岡京市粟生西条ノ内26-1です。

歴史

西山浄土宗の歴史は、浄土宗の開祖である法然上人の高弟、証空（しょうくう）（西山国師、西山上人とも呼ばれる）が自身の教えである西山義を広めたことに始まります。証空の唱えた西山義は、浄土宗内で知恩院を本山とする鎮西派に次ぐ大きな勢力となりました。

現在の西山浄土宗の母体となったのは、光明寺派です。これは、証空の弟子である浄音が、証空の教えに自身の解釈を加えて西谷流を唱え、光明寺や禅林寺（永観堂）を中心に広めたことに由来します。

1870年（明治3年）には、浄土宗鎮西派と浄土宗西山派が一時的に統合されました。しかし、1876年（明治9年）に再び分裂し、西山派は西谷流の光明寺が西本山、同じく西谷流の禅林寺が東本山、深草流の誓願寺が北本山、深草流の円福寺が南本山となり、四本山制となりました。

1919年（大正8年）には、浄土宗西山派はそれぞれの教義の違いから、光明寺を総本山とする浄土宗西山光明寺派（現在の西山浄土宗）、禅林寺を総本山とする浄土宗西山禅林寺派、誓願寺を総本山とする浄土宗西山深草派の三つに分裂しました。これら三派を総称して西山三派と呼びます。

1941年（昭和16年）、第二次世界大戦下における国策により、西山三派は再び浄土宗西山派として統合されました。しかし、終戦後の1948年（昭和23年）には再び三派に分裂し、その際に浄土宗西山光明寺派は西山浄土宗と名称を改めました。

さらに、1948年（昭和23年）には、西山浄土宗から曼陀羅寺を本山とする浄土宗西山曼陀羅寺派が分派しましたが、1961年（昭和36年）に西山浄土宗に再合流しています。

関係学校

西山浄土宗は、以下の学校法人を運営しています。

学校法人京都西山学園
京都西山短期大学
京都西山高等学校
向陽幼稚園

大学は「せいざん」、高校は「にしやま」と読み方が異なる点が特徴的です。

宗歌

西山浄土宗には、以下の宗歌があります。

生きて身を　蓮の上に　宿さずば　念仏申す　甲斐やなからん

この歌は、西山国師・証空が作った和歌に、作曲家の古関裕而が曲をつけたものです。「念仏讃」として、寺院の大きな行事や関係学校で広く歌われています。「念仏讃」として歌う際には、最後の「甲斐やなからん」の部分が異なる節で繰り返されます。

外部リンク

* 西山浄土宗総本山光明寺

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