善願寺 (京都市伏見区)

善願寺（ぜんがんじ）

善願寺は、京都市伏見区醍醐にある天台宗の寺院で、誓弘山と号します。本尊は地蔵菩薩で、特に「腹帯地蔵」として広く知られています。

歴史

寺伝によれば、善願寺は奈良時代に光明皇后の発願により、行基菩薩によって地蔵菩薩を本尊として創建されたとされています。その後、一時衰退しましたが、平安時代の長保年間（999年 - 1004年）に恵心僧都源信によって現在地に再興されました。

現在の本尊である地蔵菩薩坐像は、平清盛が五男・平重衡の安産を祈願して七条仏所に造立させたものと伝えられています。その後、重衡自身も夫人の安産を祈って堂宇を寄進したとされています。この地蔵菩薩坐像は、全高2メートルを超える半丈六の大きさで、腹帯地蔵、または地蔵大仏とも呼ばれています。また、像の表面に茶色の紙が隙間なく貼られていることから、「張子の黒地蔵さん」とも呼ばれていました。

弘化3年（1846年）には、浄土宗西山派の僧・慈円によって本堂が再建されました。

境内には、樹齢1千年を超える小野小町ゆかりの神木「小町がや」があり、その表面には仏師・西村公朝によって不動明王が彫られています。

境内

本堂：弘化3年（1846年）に再建。天井画は岸良によるものです。
庫裏
稲荷社：荼枳尼天を祀っています。
山門

文化財

重要文化財

木造地蔵菩薩坐像：全高268.2cm。法衣の下に身につけている下裳（したも）のひもの結び目が妊婦の腹帯に似ていることから、「腹帯地蔵さん」と呼ばれるようになったとされています。

札所

通称寺の会（腹帯地蔵）

所在地

京都府京都市伏見区醍醐南里町33

アクセス

* 京都市営地下鉄東西線 醍醐駅より徒歩約22分

善願寺は、安産祈願の寺として地元の人々から親しまれており、静かで心落ち着く空間となっています。ぜひ一度、足を運んでみてください。

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