浄土宗西山派

浄土宗西山派とは

浄土宗西山派は、浄土宗の祖である法然の弟子、証空（しょうくう）が唱えた西山義を起源とする宗派です。法然の没後、浄土宗は様々な解釈や流れを生み出しましたが、その中でも西山義は重要な位置を占めています。

歴史

法然の死後、浄土宗はいくつかのグループに分かれました。主なものとしては、証空の西山義、長西（ちょうさい）の九品寺義、隆寛（りゅうかん）の長楽寺義、弁長（べんちょう）の鎮西義などがありました。しかし、後世まで残ったのは、現在の浄土宗である鎮西義（白旗派）と、証空の西山義（浄土宗西山派）の二つです。

江戸時代まで、浄土宗西山派は独自の法度を持ち、浄土宗（鎮西義）とは別の流れを形成していました。明治維新後、1870年（明治3年）に一時的に浄土宗に統合されましたが、1876年（明治9年）には再び分離しました。

分裂と再統合、そして現在の姿

1876年（明治9年）に西山義を中心に浄土宗西山派が結成された際、西谷流（光明寺、禅林寺）と深草流（誓願寺、円福寺）の四つの本山を持つ体制となりました。しかし、1919年（大正8年）には、粟生光明寺を総本山とする浄土宗西山光明寺派、禅林寺を総本山とする浄土宗西山禅林寺派、誓願寺を総本山とする浄土宗西山深草派の三つに分裂しました。これら三派は西山三派と総称されます。

その後、1941年（昭和16年）には戦時統制によって一時的に統合されましたが、1947年（昭和22年）には再び分裂し、現在に至っています。さらに、この間、1948年（昭和23年）には西山浄土宗から浄土宗西山曼陀羅寺派が分派し、1951年（昭和26年）には西山深草派から深草浄土宗が分派、証空ゆかりの三鈷寺が天台宗から分派し西山宗を結成するといった動きもありました。

その後、1961年（昭和36年）に浄土宗西山曼陀羅寺派は西山浄土宗に合流し、1966年（昭和41年）には深草浄土宗も西山深草派に合流しています。

現在、浄土宗西山派は、西山浄土宗（総本山：粟生光明寺）、浄土宗西山禅林寺派（総本山：禅林寺）、浄土宗西山深草派（総本山：誓願寺）の三つの宗派に分かれており、それぞれが独自の歴史と教えを伝えています。

西山三派の寺院

西山浄土宗：総本山は粟生光明寺。
浄土宗西山禅林寺派：総本山は禅林寺。
* 浄土宗西山深草派：総本山は誓願寺。

これらの寺院は、それぞれの宗派の中心的な存在として、今も多くの人々に信仰されています。

まとめ

浄土宗西山派は、その歴史の中で分裂と統合を繰り返しながら、独自の発展を遂げてきました。現在では三つの宗派に分かれていますが、その根底には証空の西山義という共通の教えがあります。それぞれの宗派が独自の歴史と特徴を持ちながらも、浄土宗の教えを現代に伝えているのです。

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