喜連川判鑑

喜連川判鑑（きつれがわはんかがみ）

「喜連川判鑑」は、江戸時代初期に成立した系図で、『続群書類従』巻112系図部7に収録されています。この系図は、関東公方とその後の古河公方、そして下野国喜連川藩主家である喜連川家の系譜をまとめたものです。

概要

もともと「御判鑑」という名前で呼ばれていました。室町幕府の将軍である足利尊氏と足利義詮、さらに喜連川昭氏が承応2年（1653年）8月に通称を改称するまでの、歴代の関東公方、古河公方、喜連川家当主の事績と花押が掲載されています。この系図は、各家の歴史的背景や権威を示す上で重要な資料となっています。

歴史

元禄9年（1696年）5月、水戸藩の彰考館によって、喜連川氏の家臣である二階堂貞政（主殿）が所持していた写本が書写されました。この写本は彰考館に保管され、後に『続群書類従』を執筆する際に利用されました。しかし、二階堂氏が所持していた原本が現存するかどうかは不明です。

収録内容

「喜連川判鑑」には、以下の内容が詳細に記録されています。

歴代関東公方の系譜と事績
古河公方の系譜と事績
喜連川家の歴代当主の系譜と事績
各当主の花押（サイン）

これらの情報は、各家の歴史や家系を研究する上で貴重な資料となっています。特に花押は、当時の署名の形式を知る上で重要な役割を果たしています。

史料としての価値

この系図は、室町時代から江戸時代にかけての関東地方の政治情勢や武家社会の動向を理解する上で不可欠な史料です。特に、関東公方と古河公方の関係、そして喜連川家がどのようにして成立したのかを知る上で重要な手がかりとなります。また、系図に加えて花押が収録されていることから、当時の文書の形式や署名の慣習を研究する上でも貴重な資料と言えるでしょう。

関連文献

国立国会図書館デジタルコレクション: 古河市史編さん委員会 編「系図・過去帳」『古河市史』《資料 中世編》
近藤瓶城 編『続史籍集覧』 18巻《喜連川判鑑，みよしき》
* 新訂増補 史籍集覧刊行会 著、角田文衛; 五来重 編『史籍集覧』 第四十三冊《解題・書名索引》（新訂増補）

これらの文献を参照することで、「喜連川判鑑」の内容をより深く理解することができます。

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