喧嘩屋右近

『喧嘩屋右近』は、1990年代前半にテレビ東京系列で毎週金曜夜9時から放送された、テレビ東京・松竹製作の時代劇です。

概要

本作は、あらゆる揉め事の仲裁を生業とする剣の達人、茨右近（演：杉良太郎）と、妻のお弦（萬田久子/坂口良子）の夫婦が、市井のいさかいから権力者の悪行まで、様々な事件を解決する活躍を描いた痛快時代劇です。ただし、右近は夫婦間の揉め事は請け負わないとのこと。

主人公の右近は、悪人と対峙しても「えへぇ、えへぇ、えぇへへへぇぇ・・・・」とニタニタ笑いながら剣を振るうコミカルなキャラクターです。一方、妻のお弦は貧乏ながらも明るく元気に右近を支えます。右近たちが些細なきっかけから揉め事に介入し、大きな事件を解決していくものの、その結果が必ずしも彼らの儲けに繋がらないという展開が多いのが特徴です。儲けがあったとしても、すぐに借金の返済や壊した物の弁償などで消えてしまうこともしばしば。時には、依頼人に対して自分たちから餞別や祝いと称して差し出してしまうこともあります。また、川に浮かんだ舟の上で手にした小判を数えているうちに、別の舟にぶつかられて小判を全て川底に落としてしまうといったエピソードも。

右近のコミカルなキャラクターが際立つ一方で、大名行列が登場するシーンでは、時代考証に則り、一般的なテレビ時代劇に見られるような華美な行列の姿を避けるなど、江戸時代の風俗についてのリアリティを取り入れた演出も行われています。

元々、右近は1989年に杉良太郎主演で放映された単発の時代劇『大岡政談 魔像』（フジテレビ・松竹製作）とその原作である林不忘の小説『魔像』の登場人物の一人でした。杉が右近のキャラクターを気に入り、本作を企画したと言われています。実際に、杉自身が演出（第1,2シリーズ）や脚本（第3シリーズ）を担った回もあります。

『大岡政談 魔像』で杉が演じた右近のキャラクターは、本作でもほぼ踏襲されています。また、『大岡政談』で藤真利子が演じたお弦の腕にある入れ墨の設定も、絵柄などは異なるものの、第3シリーズで坂口良子が演じたお弦に引き継がれています。

出演者

茨右近 - 杉良太郎
お弦（第1、2シリーズ） - 萬田久子
お弦（第3シリーズ） - 坂口良子
なんでも屋（にせもの屋）の鶴吉 - 小船秋夫
なんでも屋（にせもの屋）の亀吉（第2、3シリーズ） - 赤塚真人
岡っ引きの忠治 - 青木義朗
雪影月之丞 - 矢木沢まり

放送期間

第1シリーズ 1992年10月9日 - 同年12月25日
第2シリーズ 1993年10月8日 - 同年12月24日
第3シリーズ 1994年10月7日 - 同年12月23日

スタッフ

原案 - 林不忘「魔像」
企画 - 杉良太郎
音楽 - 丸山雅仁
主題歌 - 「風が吹くまま」唄：杉良太郎（テイチク）、作詞：いではく、作曲：遠藤実、編曲：丸山雅仁
制作協力 - 松竹京都映画
制作 - テレビ東京、松竹

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