営倉

営倉（えいそう）について

営倉とは、大日本帝国陸軍で下士官兵に使用されていた懲罰室のことを指します。この懲罰房は、アメリカ軍の「ブリッグ」に相当しますが、日本の営倉は外部から見えないように設計されています。営倉は聯隊や大隊の正門付近の衛兵所の奥に設けられ、兵士たちの監視が行われていました。

構造と環境

営倉の内部は、一般に3畳程度の独房が3つ並んでおり、窓にはガラスがなく、格子だけが取り付けられた構造でした。兵士たちの生活空間は狭く、設備も非常に劣悪でした。室内には簡易トイレが設置されていましたが、そのために悪臭が漂い、居住環境はあまり快適ではなかったとされています。また、営倉は衛兵司令である週番の下士官によって管理されており、定期的に週番司令や週番士官による巡察が行われていました。

処罰の内容

営倉への入所決定権は、独立して指揮を執る聯隊長や大隊長に限定されていました。通常の営倉では兵士に食事と寝具が提供され、拘束期間は1日から14日とされていました。一方、重営倉では1日6合の麦飯と水のみが支給され、寝具すら与えられないため、非常に厳しい懲罰とされていました。健康を考慮し、重営倉での拘禁は通常3日間が限度とされていました。さらに、拘禁中の給与は営倉で元の50%、重営倉では20%に減額されるというペナルティがありました。

入所時には安全確保のため、すべての取り外し可能な衣服やボタン、腰ひもなどが奪われ、基本的には一日中正座の状態でいることが求められていましたが、実際には横になって休むことが許可される場合もありました。

営倉に送られる理由として一般的なのは、私刑や外出時間の遅延、喧嘩などです。それに対して、窃盗や脱営、兵器の破損などの重大な犯罪の場合には憲兵によって逮捕され、軍法会議にかけられることになっていました。

海軍における営倉の類似施設

日本海軍にも営倉に相当する獄舎が存在し、艦船内の艦底近くの暗所に設置されていました。このような年来軍における懲罰制度は、兵士たちに規律を守らせるための手段として機能していました。

軽い処罰

営倉に対する軽い処罰としては、外出禁止がありました。これは中隊長の権限によって実施され、通常は1～3回程度の日曜日の外出を禁じるものでした。また、似たような懲罰として、日曜日に衛兵などの勤務に上番させられることもありました。これらは航海士官が権限を持ち行い、行動規範に反した兵士に科される罰でした。

将校に対する処罰も存在し、訓戒、謹慎、譴責などが行われていました。さらに、陸軍士官学校には独自の営倉が備えられ、軽営倉と重営倉が設置されていました。

まとめ

営倉は大日本帝国陸軍において重要な懲罰の場であり、規律を保つための制度として機能していました。ただし、その厳しさから多くの兵士が精神的・肉体的な苦痛を受けることもありました。営倉の歴史は、過去の軍隊における法と秩序の維持の一環として重要な側面を持っています。

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