営団1500形電車

営団1500形電車（2代）

営団1500形電車は、かつて営団地下鉄銀座線で使用されていた電車です。本形式には、製造時期や構造が異なる2つのタイプが存在しました。ここでは、1968年と1981年に製造された2代目、通称「1500N形」について詳しく解説します。

1500N形誕生の背景

1968年、銀座線の車両の体質改善を目的として、1501 - 1560の60両が製造されました。これは、開業初期から長年活躍してきた1000形などの旧型車両の代替として導入されたものです。さらに1981年には、1561 - 1568の8両が追加製造され、合計68両が銀座線を走行しました。形式が重複したのは、当時営団内で先頭車と中間車で形式を整理する意見があったためとされています。

車両の特徴

1500N形は、普通鋼を基本としながらも、外板や屋根板などに耐候性鋼板を使用することで軽量化を図っています。外観上の大きな特徴は、側窓の天地寸法が縮小されたことと、小型の客用ドア窓が採用されたことです。これは、将来の冷房装置設置準備と照明付き広告の設置を考慮したものでしたが、立客からは駅名が見づらいという声もありました。

冷房装置については、当初は扇風機を併用する方式が検討されましたが、本格導入は見送られました。しかし、冷房ダクトの設置スペース確保のため、屋根の通風口は小型化されています。車内の照明付き広告は、当時としては珍しいものでしたが、後に撤去されました。

座席表地は赤色に変更され、網棚は座席上全長に設けられています。側窓は上段下降・下段上昇式で、安全性向上のため強化ガラスが使用されました。客用ドアと貫通扉はステンレス製です。ユニットを構成する車両間の貫通路は広幅とされ、乗客の移動が容易になっています。

走行性能

ブレーキは従来車との併結を考慮して自動ブレーキ方式が採用されましたが、駆動方式はカルダン駆動、主制御器は電動車MM'ユニット方式が銀座線で初めて採用されました。主[[電動機]]は、丸ノ内線用500形をベースに出力が増強されたものが使用されています。1200形・1300形などが全廃された1986年以降には両端が2000形+中間4両当形式という編成に統一された時期のみ、本領を発揮していました。台車は空気ばね台車で、乗り心地の向上に貢献しています。

1500N形では初めて電動発電機（MG）が搭載され、無電区間での室内灯の消灯が解消されました。

1500NN形（1500N2形）

1981年には、丸ノ内線方南町支線の輸送力増強のため、1561 - 1568の8両が製造されました。これらは、車体形状が2000形に近く、1500NN形または1500N2形と呼ばれて区別されることもあります。営団最後の普通鋼製車です。

その後

1500N形は、1993年までに全車廃車となりました。日立電鉄への譲渡計画もありましたが、実現には至りませんでした。1500NN形に至っては車齢わずか12年での廃車となりました。

1500N形は、銀座線の近代化に貢献した車両として、その存在を記憶されています。

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