営団200形電車

営団200形電車の概要

営団200形電車は、1942年に帝都高速度交通営団（現在の東京地下鉄）が計画した電車形式です。この電車は、当時の主要路線であった銀座線の列車増発に向けて発注されましたが、実際には完成を果たさなかった幻の存在となっています。

設計と発注の経緯

営団200形は、既存の1200形電車の設計をもとにしていました。主な特徴としては、主電動機が4つ搭載されている点が挙げられます。1942年に発注された計画では、5両の電車が予定されていました。この発注の内訳は、日立製作所が車両と電機品の2両分、汽車会社が車体3両分、そして三菱電機が電機品の3両分を担当するという形でした。

納入とその後の展開

ところが、発注された電車は1947年までに納入されることはありませんでした。三菱電機からは電機品だけが1947年頃に納入されましたが、主動力となる12台の主電動機は、当時既に荒廃していた他の既存電車の整備に流用されることとなりました。これは、戦後の時期において鉄道運営が困難であったため、このような措置が取られたためです。

また、1947年7月には、日立製の日立電鉄線のモハ11形2両に、未建設の200形電車が流用されたという記録も残されています。これにより、営団200形電車の設計は影響を与えることになりましたが、正式に運行されることはありませんでした。

まとめ

こうして、営団200形電車は帝都高速度交通営団の歴史において特異な存在となりました。計画は立案されたものの、実績としてはほとんど残らず、一部の部品が別の車両に再利用される形でのみ記憶されることとなったのです。営団200形電車は、鉄道ファンや歴史愛好者にとって、検討されたが具現化されなかった幻の車両として語り継がれています。

参考文献

• - 鉄道ピクトリアル No.128 1962年3月臨時増刊号 私鉄車両めぐり＜第2分冊＞
• - 鉄道ピクトリアル No.342 1977年12月増刊号　帝都高速道交通営団特集

関連項目

• - 帝都高速度交通営団#車両
• - 日立電鉄線

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