四ツ柳高茂

四ツ柳高茂（よつやなぎ こうも/たかしげ、1908年9月4日 - 1996年3月20日）は、日本の経営者です。北海道函館市に生まれ、北海道電力の発展に大きく貢献しました。長男は化学工学者で東北大学名誉教授の四ツ柳隆夫です。

生い立ちと経歴

函館の資産家である四ツ柳亮策・イシ夫妻の長男として誕生しました。旧制函館中学校、旧制水戸高等学校を経て、1932年に東京帝国大学経済学部経済学科を卒業しました。卒業後は、東京の生命保険会社に勤務しましたが、その後、郷里の函館に戻り静養しました。

その後、帝国電力に入社し、1948年5月には北海道配電（後の北海道電力）に転じました。営業職を経験した後、1955年に函館支店長に就任し、1959年5月には取締役に昇進、常務、副社長を経て、1974年5月には社長に就任しました。

社長在任中は、苫東厚真発電所の建設、海外炭の導入、北本連携設備の整備、泊発電所の建設など、北海道の電力インフラ整備に尽力しました。1983年6月には会長に就任し、1988年11月に取締役、1989年6月からは相談役を務めました。また、1984年5月には北海道経済連合会会長にも就任し、北海道旅客鉄道の取締役も務めました。

受賞歴と趣味

1969年10月に藍綬褒章を受章し、1987年には北海道開発功労賞を受賞しました。1988年4月には、勲一等瑞宝章を受章しました。1996年3月20日、呼吸不全のため87歳で亡くなりました。

趣味は登山であり、戦前から本州の山々を登り、北海道電力入社後も、羊蹄山や大雪山など、北海道の多くの山を登っていました。また、函館支店時代に習った小唄を長く嗜み、「函館さのさ」の3番の歌詞を作詞しました。その歌詞には、石川啄木の短歌「潮かおる 北の浜辺の 砂山の かの浜薔薇よ 今年も咲けるや」が織り込まれています。

人物像

四ツ柳高茂は、経営者として手腕を発揮する一方で、登山や小唄などの趣味も楽しむ多才な人物でした。北海道の電力事業の発展に貢献し、地域経済の発展にも尽力しました。その功績は、今もなお語り継がれています。

参考資料

* 興信データ株式會社『人事興信録 第36版 下』興信データ、1991年。

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