四五式二十四糎榴弾砲

四五式二十四糎榴弾砲の概要とその歴史

四五式二十四糎榴弾砲は、1912年に大日本帝国陸軍によって正式に制式化された榴弾砲で、特に攻城戦において威力を発揮するために設計されました。この火砲は、日露戦争中の旅順包囲戦における痛ましい戦訓を受けて開発されました。当時、日本陸軍は砲撃によって敵陣地を効果的に攻撃できる重砲の必要性を強く感じていました。

開発背景

旅順包囲戦では、日本陸軍が大きな損害を被ったことから、より強力な火砲の必要が叫ばれました。初期の研究段階では15cm加農や20cm榴弾砲、さらに30cm及び40cm榴弾砲の構想が立てられていましたが、20cm榴弾砲の性能に対する不満が表明され、最終的に口径24cmの四五式二十四糎榴弾砲へと改良されたのです。これにより、重砲としての攻撃力が飛躍的に向上しました。

この榴弾砲は、強固な敵の陣地や要塞を攻撃するために使用され、曲射弾道での効果的な攻撃を可能にしました。生産された台数は、昭和17年末までに81門であると記録されています。

運用の歴史

四五式二十四糎榴弾砲は1914年、第一次世界大戦の青島攻略戦で初めて実戦に投入されました。この際、4門が中隊として参加し、敵陣地に対してその威力を発揮しました。具体的には、約22時間をかけて港から揚陸し、50km離れた陣地へと輸送されました。砲撃は開始から1時間で敵のほとんどの砲兵を沈黙させる結果となりましたが、その後の戦闘で腔発事故が発生し、2門が不具に陥りました。

このような使用経験から、後の運用時には炸薬の取り扱いに細心の注意が払われ、改良が施されました。特に、1941年の香港攻略戦やフィリピンの戦いにおいても四五式二十四糎榴弾砲は使用され、様々な戦場でその弾道特性を活かして敵陣地を攻撃しました。

構造と性能

四五式二十四糎榴弾砲は、砲身後座式の曲射重砲で構造は前身である四五式二十糎榴弾砲を基盤としています。この砲は移動に分解可能で、セッティングには多くの人員が必要とされ、平均して16時間以上もかかりました。特に、地面に掘った砲床に基づく堅固な支持構造が特徴で、これにより発砲時の反動を支える設計となっています。

砲弾は重量が約200kg以上あり、発射には3名の砲手が必要です。様々な装薬を使用しており、その射程は装薬の種類により異なります。最大射程は10,350mに達することがあります。

現在の状況

現在、四五式二十四糎榴弾砲は中国人民革命軍事博物館に保存されており、当時の技術の一端を今に伝えています。また、父島要塞にもその残骸が残されており、歴史的な遺産としての価値が認識されています。四五式二十四糎榴弾砲は、戦時中の火砲開発の一つとして特異な存在です。

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