四十八歳の抵抗

四十八歳の抵抗

『四十八歳の抵抗』は、石川達三の同名ベストセラー小説を原作とし、新藤兼人が脚本、吉村公三郎が監督を務めた1956年公開の日本映画です。

ストーリー

物語は、真面目に働き、家庭を築いてきた西村耕太郎という中年男性が主人公です。彼は年齢を重ねるにつれて、満たされない欲求を募らせていきます。そんな中、彼は一人のヌードモデル、雪江と出会い、彼女との関係に溺れていきます。この火遊びが、長年かけて築き上げてきた家庭を徐々に崩壊させていく様子が描かれています。映画は、中年男性の心の葛藤や、老いに対する抵抗、そして欲望という普遍的なテーマを深く掘り下げています。

キャスト

西村耕太郎：山村聰
妻さと子：杉村春子
娘理枝：若尾文子
能代雪江：小野道子
弟敬：川口浩
曾我法介：船越英二
ユカ：雪村いづみ

ベテラン俳優たちの演技が、物語に深みを与えています。

スタッフ

監督：吉村公三郎
脚色：新藤兼人
製作：永田雅一
音楽：池野成
撮影：中川芳久

ユカる族と抵抗族

この映画は、公開当時、社会現象とも言える影響を与えました。特に、雪村いづみが演じた「ユカ」というキャラクターは、若い女性たちの間で新たな価値観を生み出しました。

女性誌『新婦人』では、映画のヒロイン「ユカ」に影響を受け、「自分を守りながら相手を満足させて利益を得る」という意味合いを持つ「ユカる」という言葉を使う女性が現れ、「ユカる族」と呼ばれるようになったと紹介されています。ただし、これらの女性は表面的で世間知らずな面があり、映画の中のユカとは異なるとされています。

また、ユカのような女性を求める中年男性は「抵抗族」と呼ばれるようになり、社会現象となりました。

ビデオソフト

ビデオソフトは一般家庭にビデオが普及する前の1981年頃、大映映像事業部から発売されたことがありますが、その後再発売されていません。

映画が描くテーマ

『四十八歳の抵抗』は、単なる不倫劇としてではなく、人間の心の奥底にある欲望や葛藤、そして社会の変化に対する抵抗を描いた作品として評価されています。また、家族や夫婦の関係、老いといった普遍的なテーマも扱っており、現代においても観る者の心に深く響く作品です。

外部リンク

四十八歳の抵抗 - allcinema
四十八歳の抵抗 - 文化庁日本映画情報システム
四十八歳の抵抗 - moviewalker
四十八歳の抵抗 - IMDb（英語）

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