四十口径三年式八糎高角砲

四十口径三年式八糎高角砲の概要

四十口径三年式八糎高角砲は、日本海軍が開発した高い射撃能力を持つ対空砲の一つです。この砲は、アームストロング社のQF 12ポンド 12cwt艦砲を基にしており、1916年（大正5年）2月4日に制式化されました。性能向上のため、仰角を75度まで増加させて三吋大仰角砲として誕生し、その後、四十口径三吋大仰角砲、そして四十口径八糎高角砲と名称が変わりました。そして、1922年（大正11年）3月29日に今の名称である「四十口径三年式八糎高角砲」と定められました。

基本的な仕様と操作

この砲の操作は全て人力で行われ、特に閉鎖機は斜鎖式尾栓が採用されています。サポートを必要としないシンプルな構造は、効率的な運用を可能としました。また、特に大正期の日本海軍においては、この高角砲は多くの艦艇に搭載されていました。5500トン型軽巡洋艦や扶桑型、伊勢型戦艦、さらには空母鳳翔など、多岐にわたる艦船に装備されました。

使用される艦船と設置方法

四十口径三年式八糎高角砲は、戦艦の金剛型や扶桑型、伊勢型の他、練習戦艦の比叡や航空母艦の鳳翔、重巡洋艦の古鷹型、軽巡洋艦の天龍型から川内型まで、さまざまな艦船に搭載されていました。その設置形式には、単装砲架が含まれており、設置時には盾無しと盾有りの2種類から選べるようになっています。これにより、艦の設計や役割に応じた柔軟な搭載が可能となっていました。

変遷と運用

昭和に入ると、四十口径三年式八糎高角砲は次第に新しい対空兵装に取って代わられていきました。特に太平洋戦争を迎える頃には、他の現代的な兵装に比べると旧式の部類に入るようになりました。しかし、その小型艦艇や特設洋船においては、依然として搭載されているケースが見受けられました。また、南方における防空任務でもその存在は重要でした。

結論

四十口径三年式八糎高角砲は、その誕生から活躍の時代を経て、多くの艦艇に搭載されてきた特徴的な高角砲です。日本海軍にとって重要な装備であり、次世代の高射砲へと進化する前段階での象徴的な存在でした。その操作性や設置方法、そして多くの艦に搭載されてきた事実からも、その重要性は疑う余地がありません。今でもこの砲は、日本の艦艇の思い出の一部として語り継がれています。

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