四十日抗争

四十日抗争

四十日抗争（よんじゅうにちこうそう）は、1979年に自由民主党内で発生した派閥抗争であり、自民党史上最大の危機とされています。この抗争は、1979年10月7日に行われた第35回衆議院議員総選挙の結果、党の力関係が大きく揺らいだことに起因しています。この選挙では、自民党は248議席を獲得し、前回の249議席をわずかに下回るという結果に終わりました。これを受けて、党の総裁であった三木武夫は辞任を余儀なくされました。

選挙後、自民党内では新しい総理総裁への責任追及が始まりました。特に、大平正芳に対して辞任を求める声が高まりましたが、田中角栄の支持を受けた大平は続投を決意しました。このため、反主流派となった福田派や中曽根派、三木派などは、大平に対して辞任要求を強化し、党内の対立は深刻化しました。

この抗争の特徴的な点は、自民党内が主流派と反主流派に明確に分かれたことです。主流派である大平派と田中派は、中道政党との連携を模索し、反主流派は自民党からの離脱を考え始めるなど、党内は二分化の危機に瀕していました。この混乱の中で、国会の開会も滞り、10月30日に特別国会を開くも、首班指名投票を行わずに散会するという異例の事態が発生しました。

大平はその後、反主流派と議論を重ねながらも、政権の維持を目指しました。しかし、反主流派の士気は高まり、大平に対する圧力は日増しに強まっていました。最終的には、11月6日に行われた首班指名選挙で、民間人の福田と共に大平が候補に名乗りを上げるという前代未聞の状況が生じました。

首班指名選挙では、最終的に大平が衆議院で138票、福田が121票の結果で指名されました。この指名を受けて、大平は11月9日に内閣を発足させるものの、その過程で反主流派からの反発もあり、組閣は難航しました。最終的には、文部大臣職を大平自らが兼任する形で新内閣を発足させ、反主流派の反発を抑えましたが、党内の対立感情は解消されず、翌年のハプニング解散へとつながることになりました。

このように、四十日抗争は自民党史上の一大事件であり、党の内部構造や政策決定に深い影響を及ぼしました。抗争の結果、党内がどのように再編成されていったのか、その後の日本政治の流れを考える上で欠かせない重要な出来事となっています。

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