四四式騎銃

四四式騎銃（よんよんしききじゅう）

四四式騎銃は、大日本帝国陸軍の採用した騎銃で、英語ではType 44 carbineやArisaka type 44と呼ばれています。この銃は1909年、明治42年に開発プロセスが始まり、1911年、明治44年に正式に採用されました。基本的には三八式歩兵銃の騎銃型である三八式騎銃を基にして製作され、特に騎兵の使用を念頭に置いた設計がされています。

緊急時の武器としての利便性を考慮し、全長が長く重いモデルが多い有坂銃の中でも、四四式騎銃は特に扱いやすい軽量モデルとされ、騎兵をはじめとして歩兵、砲兵、輜重兵、憲兵、挺進部隊の兵士たちにも広く使用されました。

四四式騎銃の最も顕著な特徴は、銃身の先端に備えられた折りたたみ式の刺突型銃剣、いわゆるスパイク・バヨネットです。この設計は、馬上での白兵戦における緊急対応を容易にするために開発されました。三八式騎銃では、銃剣固定時に一部不便があったため、銃剣と銃本体を一体化した新しい騎銃の設計が求められました。

折りたたみ式銃剣の胴体の可動部は、上帯の役割も果たし、銃身を保護する金属部品で強化されています。この設計により、白兵戦中でも銃が損傷を受けることなく、銃剣による格闘が可能となっています。折り畳まれた銃剣は、銃床の下面にある凹溝に収納され、効率的な使用が図られています。一方、クリーニングロッドなどの内蔵は行われず、ねじ込み式の二分割構造が銃床に格納され、使用時には取り出しと組み立てが必要です。

初期モデルでは、銃剣を装着したときに弾道が不安定になる問題が発覚し、銃剣取り付け部を強化したり、内部の構造を改良するなど、実に三度の改良が実施されました。この銃は第二次世界大戦が終わるまで使用され続け、一部は初期の自衛隊にも流用されました。

四四式騎銃には直接の後継機は存在しませんが、1939年に制式採用された7.7mmの九九式小銃に関連する試作品として、四四式騎銃を7.7mm仕様に改良した「試製七・七粍騎銃 第二案」が試作されたことがあります。しかし、九九式短[[小銃]]の生産が優先されたため、これらの案は形式上で終わりました。また、挺進部隊向けの空挺小銃開発過程において、四四式の折り畳み式銃剣が二式[[小銃]]に採用されることもありました。

登場作品

• - 漫画: 『朝霧の巫女』や『虹色のトロツキー』などで使用例が見られ、特に『朝霧の巫女』では銃剣を展開して活用される描写があります。
• - ゲーム: 『メダル・オブ・オナー パシフィックアサルト』といった作品でも取り上げられています。

四四式騎銃は、戦場における騎兵の役割と戦術の変化を反映した重要な兵器であり、その技術的特性は今なお評価されています。

もう一度検索