四国化工機

四国化工機株式会社

四国化工機株式会社は、徳島県板野郡北島町に本社を構える企業です。食に関わる多様な分野で事業を展開しており、特に液体飲料用の充填機製造販売で国内トップクラスのシェアを誇ります。機械事業のほか、食品包装資材の企画販売、そして「さとの雪」ブランドとして親しまれる豆腐などの大豆加工食品製造を手掛ける食品事業を三本柱としています。

設立から事業展開へ

同社は、1961年に植田道雄氏によって、食品産業向けのタンク製造を主とする装置メーカーとして設立されました。その後、乳酸菌飲料向けのプラスチックボトル充填シール機を開発したことをきっかけに、食品機械メーカーとしての道を歩み始めます。以来、牛乳やジュース、酒類といった飲料に加え、ヨーグルト、プリン、アイスクリームなどのデザート類、さらにはカップ麺、カレールー、味噌、マーガリン、調味料といった多種多様な食品に対応する充填機を開発・販売しています。

主力事業：機械事業

四国化工機の事業の中核を担うのが機械事業です。特に、牛乳パックなどに使われる屋根型紙容器（ゲーブルトップカートン）に液体を充填する機械においては、日本国内で約70%という圧倒的なシェアを有しています。この技術力は国内に留まらず、ヨーロッパをはじめとする世界50ヶ国以上に製品を輸出しており、グローバルな展開を進めています。

また、単に機械を提供するだけでなく、食品工場の全体設計にも強みを持っています。新規工場の建設から既存工場の改修、増設に至るまで、プランニング、設計、据付、施工、そして実際の生産立ち会いまでを一貫してサポートする食品プラントエンジニアリングサービスを提供しています。もちろん、個別の機械一台からでも、設計、製作、据付、調整、生産立ち会いまで対応可能で、充填機だけでなく、各種包装機械や検査機械も取り扱っています。

その他の事業：包装資材と食品

機械事業を支え、あるいは連携しながら、包装資材事業と食品事業も重要な役割を果たしています。

包装資材事業では、飲料や食品に使用されるカップ容器、ボトル容器、蓋、フィルムなど、食品包装に関する幅広い資材の企画開発と販売を行っています。製品の品質維持や安全性に貢献する、食品産業に不可欠な事業です。

食品事業は、自社開発の豆腐製造機を活用し、「さとの雪」ブランドのもと、豆腐や油揚げといった大豆加工食品の製造販売を手掛けています。かつては、2001年に醸造設備を引き継ぎ、地ビール「阿波うず潮ビール」の製造も行っていましたが、こちらは2009年に生産を終了しています。

近年の動向と課題

近年では、国際市場での存在感を一層強めています。2022年には、ノルウェーの有力な販売代理店であるエロパック社との契約を締結し、同年には欧州・中東市場向けの屋根型紙容器成形充填機に関して、過去最大級の輸出契約を結ぶなど、海外ビジネスが拡大しています。

一方で、2023年には建設業法違反により東京都知事から営業停止命令の監督処分を受けました。これに伴い、国土交通省などからも2か月間の指名停止処分を受けるなど、企業運営上の課題も浮き彫りになっています。

三事業を通じて、食の安全と安心、そして効率的な供給を支える技術と製品を提供し続ける四国化工機は、国内外の食品産業において独自の地位を築いています。

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