四大学連合

四大学連合の概要

四大学連合（Union of four universities in Tokyo）は、日本の首都東京に位置する4つの国立大学、東京医科歯科大学、東京外国語大学、東京工業大学、一橋大学による教育研究協力のネットワークです。この連合は2001年3月15日に策定された『四大学連合憲章』に基づいたもので、相互の教育課程や研究プログラムを通じて、学生や教員が自由に学び合える環境を整えています。特に、学部間の交流や大学院での共同研究を推進し、異なる専門分野が融合することで新しい知識の創造を目指しています。

2024年10月1日には、東京医科歯科大学と東京工業大学が統合し、東京科学大学となることから、四大学連合も「三大学連合」に改名されます。これにより、連合の構成と目的にも変化が生じるでしょう。

連合設立の経緯

四大学連合の設立は1999年春、東京外国語大学の中嶋嶺雄学長が、東京工業大学の内藤喜之学長、一橋大学の石弘光学長との会合を持ったことから始まりました。この会合はドイツでの学長会議後に行われ、国立大学の独立行政法人化が議論されている中で、それぞれの単科大学が潜在する限界を打破するための連携の重要性が話し合われました。

同年秋には東京医科歯科大学と東京芸術大学の学長も加わり、五大学での連合構想が発表されました。しかし、東京芸術大学は教授会の反対により企画から撤退し、東京外国語大学も一時的に脱退した後、2000年11月には再び参加を表明しました。そして2001年に4大学間で正式に連合の憲章が調印され、共通の目的と方針が策定されました。

提供されるプログラム

四大学連合では、さまざまな特別履修プログラムやコースが設定されています。その中でも特に特徴的なものとして、次のような複合領域コースが挙げられます：

• - 総合生命科学コース（東京医科歯科大学、東京工業大学、一橋大学）
• - 生活空間研究コース（東京医科歯科大学、東京工業大学、一橋大学）
• - 医用工学コース（東京医科歯科大学、東京工業大学）
• - 医療・介護・経済コース（東京医科歯科大学、一橋大学）
• - 科学技術と知的財産コース（東京工業大学、一橋大学）
• - 国際テクニカルライティングコース（東京外国語大学、東京工業大学）

これらのコースは特に2年次以上の学生を対象としており、さらに複数学士号（dual degree）を取得する道や編入学の制度も整備されています。学生は他大学での学びを通じて、多様性ある学問に触れることができ、各大学の専門性を生かした学びを経験できます。

現在の活動と今後の展望

四大学連合は、受験資格を2年次以上に設定しており、大学院での学生交流や共同研究活動も活発に行っています。特に、近年のポストコロナ社会に向けた研究連携プログラムも推進されています。また、文化交流の一環として「四大学連合文化講演会」が毎年開催されています。

しかし、連合内にはいくつかの課題も存在します。例えば、各大学の卒業要件が異なり、四大学間共通コースは少数派の「海外協カコース」のみに限られています。また、東京外国語大学が提供するコースの数も少なく、他の大学と比較して大きな差があります。このような状況は、今後の連合の発展にとって改善の余地があると言えるでしょう。

四大学連合は、各大学の強みを生かした教育と研究を融合させることで、今後もさらなる成長と発展を目指していくことでしょう。

もう一度検索