内藤喜之

内藤喜之（ないとう よしゆき、1936年 - 2011年）は、日本の工学者であり、特に電磁波工学の分野で顕著な業績を残しました。大分県出身で、東京工業大学で電気工学を学び、同大学院で工学博士号を取得しました。彼の学術的なキャリアは、東京工業大学の教授として始まり、その後、工学部長、東京工業高等専門学校校長、そして東京工業大学学長へと進みました。

内藤氏は、教育者としても卓越しており、多くの学生を指導し、その中には後にNTTエレクトロニクスの社長となった萩本和男氏も含まれます。また、日本の高等教育の発展に尽力し、大学間連携の重要性を認識していました。その一例として、1999年の日独学長会議での出会いをきっかけに、中嶋嶺雄氏（東京外国語大学学長）、石弘光氏（一橋大学学長）と共に四大学連合の結成に尽力しました。

さらに、内藤氏は教育行政の分野でも活躍し、長岡技術科学大学運営諮問会議会長、電子情報通信学会会長、文部科学省教科用図書検定調査審議会会長など、多くの重要な役職を歴任しました。2002年には大分大学学長に就任し、地域における高等教育の振興にも貢献しました。退任後も大分大学名誉教授として、教育・研究活動に携わりました。また、国立高等専門学校機構理事長や、豊橋技術科学大学、奈良先端科学技術大学院大学などの理事も務め、幅広い分野で日本の教育と科学技術の発展に貢献しました。内藤氏の業績は、電磁波工学の分野だけでなく、日本の教育行政と大学運営に大きな影響を与えました。その指導力と先見の明は、多くの人々に尊敬され、彼の遺志は後世に受け継がれています。

内藤氏は、その生涯を通じて、工学分野の発展と教育改革に情熱を注ぎました。彼の活動は、学術界だけでなく、社会全体に大きな影響を与え、日本の科学技術の進歩に大きく貢献しました。その功績は、今後も長く語り継がれることでしょう。

もう一度検索