四季報

四季報とは、一般的に、特定の分野における最新の情報や資料を四半期ごとにまとめた出版物のことを指します。この名称は、四半期ごとに発行されるという性質から、「月報」や「年報」と同列に扱われることがあります。組織内では「四半期報」と呼ばれることもあり、英語では「クォータリー」と表現されます。

特に、金融・株式の世界では、東洋経済新報社が発行する『会社四季報』が非常に有名です。この『会社四季報』は、上場企業に関する詳細な情報はもちろんのこと、REIT（不動産投資信託）やETF（上場[[投資信託]]）といった上場している投資信託に関する情報も網羅的に掲載しています。金融証券業界では、単に「四季報」と言えば、この『会社四季報』を指すことが一般的です。さらに、東洋経済新報社からは、未上場企業に特化した『会社四季報 未上場会社版』も発行されています。

『会社四季報』は、投資家やアナリストにとって、個別企業の分析を行う上で欠かせない情報源となっており、企業の業績、財務状況、株価動向など、多岐にわたるデータを提供しています。これらの情報は、投資判断を行う上で非常に重要な要素であり、四季報は株式市場における情報収集の基礎をなすものと言えるでしょう。

同様の情報を提供する刊行物としては、かつて日本経済新聞社が発行していた『日経会社情報』や、ダイヤモンド社が発行している『ダイヤモンド「株」データブック』があります。これらの書籍も一般の書店で販売されており、個別企業の研究を行う上で非常に有用な情報源です。しかし、2017年に『日経会社情報』は休刊しており、現在はダイヤモンド社の書籍が競合として挙げられます。ただし、この分野では東洋経済新報社の『会社四季報』が最も歴史と実績のある出版物として広く認知されています。

また、株式市場以外にも、「四季報」という名称を持つ出版物は存在します。例えば、競馬の世界では、ケイバブックが発行する『競馬四季報』が知られています。これは、競馬に関する様々な情報をまとめたものであり、競馬ファンにとっては必携の書物となっています。

このように、「四季報」という言葉は、特定の分野における最新の情報を四半期ごとにまとめた出版物全般を指す言葉として使われます。特に金融・株式の世界では、その意味合いがより強く、投資家にとって非常に重要な情報源となっています。四季報は、企業分析の基礎となる情報を提供するだけでなく、市場動向を把握するためにも不可欠なツールと言えるでしょう。

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