四宮車庫

四宮車庫

京阪電気鉄道京津線の車両基地として、かつて重要な役割を担っていた四宮車庫は、京都府京都市山科区、四宮駅の北側に位置していました。京津線で運用される車両の点検や整備を行う拠点でしたが、その機能は現在の姿とは異なっています。

京都市営地下鉄東西線の開業と京津線との直通運転開始後、四宮車庫が担っていた車両の検査・修繕機能は、滋賀県大津市にある錦織車庫へと統合されました。現在、四宮車庫の敷地は無人となり、京津線800系電車の留置線としてのみ活用されています。かつての車両基地としての役割は終わり、事実上、機能は失われた状態となっています。

歴史

四宮車庫は、1912年（大正元年）8月15日、京津電気軌道が開業した際に開設されました。三条大橋から札ノ辻までの開業区間において、車両の拠点としての役目を担いました。

1925年（大正14年）2月1日には、京津電気軌道が京阪電気鉄道に合併され、四宮車庫は京阪電気鉄道京津線の車庫となりました。

戦時統合を経て、1943年（昭和18年）10月1日には京阪電気鉄道が阪神急行電鉄と合併し、京阪神急行電鉄が発足。四宮車庫は同社京津線の車庫となります。

1949年（昭和24年）には二つの重要な出来事がありました。まず8月7日午前4時頃に発生した火災です。庫内の車両を火元とし、入庫中の車両27両のうち22両が焼失するという大きな被害を受けました。これを契機に、京津線では初めて2両固定編成の車両が導入されることになります。そして同年12月1日には、京阪神急行電鉄から分離・再設立された京阪電気鉄道の京津線車庫として再び歩み始めました。

地下鉄東西線との直通運転準備が進められる中で、1997年（平成9年）には車両の検車機能が錦織車庫に完全に統合されました。

残されていた車庫の建物は、1998年（平成10年）4月13日に解体され、以降は検車機能を持たない留置線のみが残る現在の形態となりました。

四宮車庫は、京津線という unique な路線の歴史において、車両運用を支える重要な役割を果たしてきました。現在、その機能は限定的になりましたが、留置線として京津線の運行に貢献しています。

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