四宮駅

四宮駅：歴史と現在を繋ぐ京阪京津線の駅

京都府京都市山科区に位置する京阪電気鉄道京津線の四宮駅（しのみやえき）は、OT32の駅番号を持ち、長い歴史と特徴的な駅構造を持つ魅力的な駅です。駅名の由来は、平安時代に仁明天皇の第四皇子である人康親王の山荘があったことに遡ります。この山荘があった場所が「四ノ宮」と呼ばれ、現在の地名と駅名に受け継がれています。

開業から現在までの歴史

四宮駅は、1912年（大正元年）8月15日、京津電気軌道三条大橋～札ノ辻間の路線開通と同時に開業しました。その後、幾度かの会社合併を経て、京阪電気鉄道の駅となりました。1949年（昭和24年）には隣接する四宮車庫で大きな火災が発生し、全焼する事態に見舞われましたが、翌年には新しい車庫が竣工しました。1997年には新しい駅舎が完成し、2002年には自動改札機が導入されるなど、時代の変化に合わせて進化を遂げてきました。2007年にはICカード「PiTaPa」の利用も開始され、利用者の利便性向上に貢献しています。

駅構造と特徴

四宮駅は、島式ホームと単式ホームを組み合わせた2面3線の地上駅です。改札口は単式ホームのびわ湖浜大津寄りにあり、島式ホームへは構内踏切で連絡しています。ホーム有効長は4両分です。駅の北側には京津線の車両基地である四宮車庫が併設されています。また、びわ湖浜大津方にはY字型の折り返し線があり、かつては普通列車の折り返し運用に頻繁に使用されていました。

興味深いことに、四宮駅では案内上ののりば番号表記がありません。自動放送でものりば番号はアナウンスされません。しかし、管理上では車庫側のホームから1番線、2番線、3番線と番号が付けられています。通常、びわ湖浜大津方面行きは駅舎側の2番線を使用し、反対側の1番線は入出庫列車や当駅始発列車が使用します。かつて急行列車が運行されていた時代には、この駅で緩急接続が行われていました。

地下鉄東西線が開業する以前は、京津線は準急と普通列車の2種類が運行されていました。しかし、地下鉄開業に伴いダイヤ改正が行われ、普通列車のみの運行となり、本数も減少しました。現在も、四宮駅を始終点とする列車が少数ながら設定されています。これは、車庫への出入や夜間の車両滞泊のために必要な運行です。

利用状況と周辺環境

2009年11月10日時点での1日あたりの利用客数は約2,575人です。駅は滋賀県大津市との県境付近に位置しているため、京都府と滋賀県からの利用客がいます。周辺環境は、住宅街が広がっており、静かで落ち着いた雰囲気です。

隣の駅

四宮駅は、歴史と現代が共存する、地域に密着した駅として、これからも多くの利用客に愛される駅であり続けるでしょう。

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