四月革命 (アフガニスタン)

サウル革命：アフガニスタンの転換点

サウル革命は、1978年4月27日にアフガニスタンで発生したクーデターであり、アフガニスタン人民民主党（PDPA）がムハンマド・ダーウード大統領率いる政府を打倒しました。この革命により、アフガニスタン民主共和国が樹立され、アフガニスタンは社会主義国家としての道を歩み始めました。

革命の背景

1973年、ムハンマド・ダーウードはクーデターを起こし、ザーヒル・シャー国王を追放して共和制を樹立しました。しかし、アフガニスタンは依然として国内基盤が脆弱であり、ソ連、中国、パキスタンといった大国の影響下にありました。ダーウードは中立政策を試みましたが、1970年代後半には西側諸国との関係を強化し、これがソ連や国内の社会主義勢力、特に人民民主党の不信感を招きました。

人民民主党はハルク派とパルチャム派に分裂しており、それぞれ異なる支持基盤と政策を掲げていました。ハルク派は急進的な改革を主張し、労働者や地方教員からの支持を集めました。一方、パルチャム派は穏健な政策を支持し、学生、軍人、知識人などのエリート層に支持されていました。

革命の勃発

1978年4月17日、パルチャム派の有力者であるミール・アクバル・カイバーが暗殺されたことが革命のきっかけとなりました。人民民主党は政府による暗殺を疑い、抗議行動を起こしました。これに対し、ダーウード政権は人民民主党の指導部を逮捕し、アミーンは自宅軟禁となりました。しかし、アミーンは配下の軍に政府転覆を命じ、クーデターが実行されることになりました。

4月27日、カブールに向けて戦車が進軍し、国防省から煙が上がり、武装した兵士が出現しました。人民民主党のハルク派はラジオ局を占拠し、武力行使を宣言しました。夜には、Su-7戦闘機が宮殿を攻撃し、戦闘は激化しました。

翌朝、ダーウード大統領とその家族が殺害されたことが明らかになりました。ダーウードは抵抗しましたが、ハルク派の兵士に包囲され、兄弟とともに銃を持って突撃し、殺害されました。ダーウード内閣のメンバーも同様に殺害されました。

革命の余波

革命後、人民民主党はアフガニスタンの全権力を掌握し、君主制の終焉を宣言しました。当初、革命は国民に歓迎されましたが、ハルク派が主導権を握ると、急進的な政策が推進され、農村部の社会構造が破壊されました。また、ソ連に酷似した国旗が採用され、高利貸しが禁止されるなど、社会主義的な改革が強行されました。

一方、女性の権利向上や男女平等の推進も行われ、アナヒタ・ラテブザドのような女性が政界で重要な地位を占めるようになりました。しかし、人民民主党は反革命主義者や王室関係者に対する弾圧を強化し、これが国内のムスリムの抵抗を招きました。

サウル革命とその後の混乱は、ソ連軍の介入を招き、アフガニスタン紛争へと発展し、現代のアフガニスタンの混乱の根源となりました。

もう一度検索