四条古墳群

四条古墳群概要

四条古墳群（しじょうこふんぐん）は奈良県橿原市に位置し、古墳時代に築かれた古墳群です。2019年までの調査結果によれば、14基の古墳が発見されましたが、忘れ去られた後は破壊され、地上にその姿を見せない埋没古墳として存在しています。

位置と歴史

この古墳群は奈良盆地の南部に位置し、畝傍山の北東側、四条町交差点周辺に広がっています。築造されたのは古墳時代の中頃から後期にかけて、具体的には5世紀前半から6世紀中頃です。この地域はかつて藤原京の範囲内にあり、7世紀の藤原京の造営が行われた際に、古墳の墳丘は削平され、周囲の濠も埋められました。

四条古墳群の存在が初めて確認されたのは1987年に行われた第1次発掘調査で、このときに最初の古墳（1号墳）が見つかりました。その後、古墳に関連する調査は1987年からの31次にわたり続き、総じて14基の古墳が確認されるに至りました。年々の研究によって、埋葬施設の詳細は分からないものの、周濠からは水分が含まれたために保存状態が良好な木製品が多く見つかっています。特に1号墳においては、造出と呼ばれる構造物を含む完全な形が明らかになり、数多くの埴輪や木製品が発掘されています。

四条遺跡

四条古墳群には、古墳時代の集落跡も見つかっており、これらの遺跡は「四条遺跡」と呼ばれています。また、古墳群の近隣には初代神武天皇陵（ミサンザイ）や第2代綏靖天皇陵（塚山）があり、これらの初期天皇陵と古墳群との関係性についても様々な見解が示されています。

古墳の詳細

古墳群の中心に位置する主な墳は、7号墳、2号墳、そして1号墳の順に築かれたと考えられており、特に古墳群の最盛期は中期後半から末期にかけてであるとされています。

四条1号墳

四条1号墳は、四条古墳群の中で最初に発見された古墳で、方墳です。1987年以降、橿原考古学研究所により発掘調査が行われています。墳丘は藤原京が造営された際に削られ、元々の盛土は失われています。四条1号墳の大きさは、南北約32メートル、東西約40メートルで、南北に伸びた台形の造出が確認されています。周囲には二重の周濠が巡られており、古墳全体で推定される長さは約60メートル、幅は約75メートルに達します。

内部の周濠からは多くの木製品と埴輪が出土しており、特に木製製品は保存状態が良好です。これらの発見により、埴輪は古墳を囲むために使用されたと考えられています。外濠も存在し、周堤のための掘削が行われた結果、現在の形となったと推測されています。

天皇陵との関係

四条古墳群に隣接している天皇陵には、第2代綏靖天皇陵の塚山と、初代神武天皇陵のミサンザイがあります。それぞれの陵は歴史的に重要な位置付けを持っており、考古学的研究も進められています。特にミサンザイの地では、古墳であった可能性が広く考えられており、四条古墳群との密接な関係が推察されています。

文化的意義

四条古墳群とその出土品は、古代日本の葬送文化や社会構造を理解するための重要な手がかりとなっています。奈良県立橿原考古学研究所附属博物館では、これらの出土品が保管され、一般公開も行われています。さらに、このような遺跡に関する研究は進化を遂げ続けており、今後の発見にも期待が寄せられています。

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