四谷見附橋

四谷見附橋

四谷見附橋は、東京都新宿区と千代田区を結ぶ、新宿通り（国道20号）の橋梁です。JR中央線の上に架かり、交通の要所となっています。現在の橋は1991年に架け替えられた2代目で、その歴史は江戸時代にまで遡ります。

歴史

1639年（寛永16年）に四谷御門が設けられ、江戸城の重要な防衛拠点となりました。明治時代になると門は撤去されましたが、1894年（明治27年）には甲武鉄道（現JR中央本線）が開通し、四ツ谷駅が開設されました。しかし、新宿方面から江戸城への道はクランク状に曲がっており、交通の妨げとなっていました。

この状況を改善するため、1910年に四谷見附橋の建設を含む道路整備計画が東京市会を通過。1911年に着工し、1913年（大正2年）に初代の橋が完成しました。橋上には路面電車も敷設され、1968年まで運行されました。

1974年には新宿通りの拡幅と橋の老朽化に伴い、四谷見附橋の架け替えが決定。1991年10月5日に新たな橋が完成しました。旧橋の橋体は八王子市の多摩ニュータウンにある長池公園に移築され、1993年11月22日に竣工式が行われ、現在もその姿を見ることができます。

構造

初代の橋は、近隣の赤坂離宮との調和を意識し、高欄や橋灯にネオ・バロック様式が採用されました。橋台は花崗岩で装飾された煉瓦積みの外殻で、アーチは茶褐色に塗装されていました。

現在の橋は、旧橋のアーチをイメージしたラーメン構造となっています。高欄や橋灯は旧橋のものが再利用され、歴史的な意匠が継承されています。橋は上下線各3車線と右折車線、そして両側に歩道を備え、 современный な交通需要に対応しています。

長池公園での保存

旧四谷見附橋の一部は、長池公園に移築され、一般公開されています。橋の歴史的価値を伝えるとともに、公園の景観にも調和しています。訪れる人々は、かつての橋の面影に触れ、その歴史を偲ぶことができます。

まとめ

四谷見附橋は、その歴史と構造において、東京の都市景観を特徴づける重要な存在です。初代の橋が持っていた美意識は、現在の橋にも受け継がれており、交通の要所としてだけでなく、歴史的遺産としても大切にされています。また、旧橋の一部が長池公園で保存されていることは、過去の遺産を未来に伝えるための貴重な取り組みと言えるでしょう。


参考文献
* 成瀬輝男『鉄の橋百選―近代日本のランドマーク―』（pdf）東京堂出版、1994年9月30日、96-97頁。ISBN 4-490-20250-4。

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