四重の福音

四重の福音（しじゅうのふくいん）

四重の福音とは、キリスト教における信仰の重要な要素であり、新生、聖化、神癒、再臨の四つの側面を強調した教義を指します。この考え方は、特にアライアンス教会において広く受け入れられ、その教えは多くの信者に影響を与えてきました。

四重の福音の構成要素

1. 新生（Jesus as Savior）

新生は、イエス・キリストを救い主として受け入れることを意味します。この教義は、ヨハネによる福音書の3章3節と5節に基づいており、人が神の国に入るためには新たに生まれなければならないとされています。信者は心の中にキリストを迎えることで、古い自分が死に、新しい命が与えられると信じられています。

2. 聖化（Sanctifier）

聖化は、信者が神における聖なる生活を求める過程を表しています。ヨハネによる福音書17章17節やヘブル書12章14節に示されるように、聖なる者として設けられた信者は、徐々に神に近づき、聖なる性質を表すようになります。また、第一ペテロ1章15節から16節には、信者が神の聖に倣うことが求められています。

3. 神癒（Healer）

神癒の教義は、病気や苦しみからの癒しを信じることに関連しています。この概念は、出エジプト記15章26節やイザヤ書53章4節に裏付けられており、神が人々を癒す力を持っているとされています。また、ヤコブ書5章15節では、信仰を持って病を癒すために祈ることが推奨されています。

4. 再臨（Coming King）

再臨は、イエス・キリストが再び地上に戻ってくるという信念です。第一テサロニケ4章16節と17節や黙示録22章20節に基づき、信者はこの再臨を待ち望み、再びキリストが王として治めることを確信しています。これは信者にとっての希望のしるしであり、最終的な救いをもたらすと信じられています。

歴史的背景

四重の福音の概念は、アルバート・ベンジャミン・シンプソンによって提唱されました。彼はスコットランドの長老派教会から派生した伝統を持ち、大いに影響を与えた牧師です。シカゴのムーディー聖書学院で学んだ中田重治もまた、この教義を受け入れ、ホーリネスの信仰として広めました。

日本福音連盟の『聖歌』には、この教義の根拠となる聖句が記載されています。これにより、四重の福音は日本のキリスト教徒においても重要な教義として確立されていきました。

参考文献

• - 『王をお迎えするために-アライアンスの歴史と思想への手引き』日本アライアンス・ミッション
• - 『神癒の福音』A.B.シンプソン
• - 『ペンテコステ神学』大川修平 マルコーシュ・パブリケーション
• - 『中田重治伝』米田勇 中田重治伝刊行委員会

四重の福音は、信者にとっての道しるべとしての役割を果たしており、神との関係を深める上で欠かせない教義の一つとなっています。

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