四集 (増支部)

四集（Catukka-nipāta）

概要

「四集」（ししゅう）は、パーリ仏典経蔵の増支部に位置づけられた重要な文書であり、バッサナ語では「Catukka-nipāta」と呼ばれます。全体は28品で構成されており、合計783経が収められている特異な経典です。この文献は、仏教の教えや哲学を深く理解するための貴重な資源となっています。

構成

四集は、以下のようにテーマごとに分類された五十のグループから成り立っています。

最初の50（1-50）

1. 班達伽瑪品（Bhaṇḍagāma-vaggo） 1-10
2. 行品（Cara-vaggo） 11-20
3. 優楼比螺品（Uruvela-vaggo） 21-30
4. 輪品（Cakka-vaggo） 31-40
5. 赤馬品（Rohitassa-vaggo） 41-50

この最初の50には、仏教の道における基本的な教えや実践が含まれており、特に瞑想や倫理に関する重要な概念が展開されています。

第二の50（51-100）

6. 福生品（Puññābhisanda-vaggo） 51-60
7. 適切業品（Patta-kamma-vaggo） 61-70
8. 無戯論品（Apaṇṇaka-vaggo） 71-80
9. 不動品（Macala-vaggo） 81-90
10. 阿修羅品（Asura-vaggo） 91-100

ここでは、善悪の行いや結果についての議論が進められ、特に福による生の重要性が強調されています。

第三の50（101-150）

11. 雲品（Valāhaka-vaggo） 101-110
12. 只尸品（Kesi-vaggo） 111-120
13. 怖畏品（Bhaya-vaggo） 121-130
14. 補特伽螺品（Puggala-vaggo） 131-140
15. 光品（Ābhā-vaggo） 141-150

この区間では、信者の心に宿る恐れや希望が語られ、困難を乗り越えるための精神的指導がなされています。

第四の50（151-200）

16. 根品（Indriya-vaggo） 151-160
17. 行品（Paṭipadā-vaggo） 161-170
18. 故思品（Sañcetaniya-vaggo） 171-180
19. 婆羅門品（Brāhmaṇa-vaggo） 181-190
20. 大品（Mahā-vaggo） 191-200

この部分では、日常生活における信仰や倫理、またそれが人々の行動に与える影響について言及されています。

第五の50（201-273）

21. 善士品（Sappurisa-vaggo） 201-210
22. 荘飾品（Parisā-vaggo） 211-220
23. 妙行品（Duccarita-vaggo） 221-231
24. 業品（Kamma-vaggo） 232-242
25. 犯畏品（Āpattibhaya-vaggo） 243-253
26. 通慧品（Abhiññā-vaggo） 254-263
27. 業道品（Kammapatha-vaggo） 264-273
28. 貪品（Rāga-peyyālaṃ） 274-783

四集の最後の部分では、人間の欲望と業について深く掘り下げ、それが精神的成長に与える影響について議論しています。この品々を通じて、仏教の教えが衆生への慈悲を基盤にしていることが明確に示されています。

日本語訳

この経典は、日本語に翻訳されており、『南伝大蔵経・経蔵・増支部経典2』（第18巻）として大蔵出版から提供されています。

脚注・出典

「四集」は様々な外部リソースにより研究されており、学術的な議論や解釈が行われています。

関連項目

この経典に関連する他の資料や研究を通じて、仏教の理解を一層深めることができます。

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