回旋筋腱板

回旋筋腱板（ローテーターカフ）とは

回旋筋腱板（ローテーターカフ）は、肩甲骨の前面と後面から起こる4つの筋肉、具体的には棘上筋、棘下筋、肩甲下筋、小円筋の腱を指します。肩関節の安定性を保つ上で非常に重要な役割を果たしており、肩回旋腱板、または英語表記の「ローテーターカフ」という名称でも知られています。

回旋筋腱板の働き

ローテーターカフは、上腕骨頭を肩甲骨の関節窩に引きつけ、肩関節を安定させる働きを担っています。そのため、腕を使うあらゆる運動と密接に関わっており、ローテーターカフをいかに効率的に連動させて使えるかが、運動効率を大きく左右します。

例えば野球においては、ローテーターカフを鍛え、その機能を最大限に活用することで、時速150km/h近いボールを投げることが可能になります。しかし、ローテーターカフの機能が不十分な場合、球速は伸び悩み、無理に筋力だけで投げようとすると、ローテーターカフに過度な負担がかかり、重大な損傷を引き起こす可能性があります。一度損傷すると、外科手術を行っても完全に回復させることは非常に困難です。

近年では、ローテーターカフを強化するトレーニングが重要視され、その機能を効果的に活用するためのエクササイズとともに、野球における最新の科学的トレーニングの中核を成しています。

ローテーターカフの重要性にいち早く着目した人物

ローテーターカフの重要性に最初に気付き、現在のトレーニングの基礎を築いたのは、メジャーリーグの伝説的な投手であるノーラン・ライアンです。彼はトム・ハウスと共に、当時否定されていた投手のウェイトトレーニング法を確立するとともに、ローテーターカフを鍛え、その機能を最大限に引き出すことに尽力しました。その結果、40歳をはるかに過ぎて50歳近くになっても、時速150km/h近い剛速球を投げ続けることに成功しました。

日本におけるローテーターカフの認知

日本においては、ローテーターカフの重要性の認知が遅れていましたが、メジャーリーグで科学的なトレーニングを学んできた立花龍司や、ジャイロボールで有名な手塚一志らの努力によって、現在ではその重要性が広く認識されるようになっています。

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