上腕骨

上腕骨について

上腕骨（じょうわんこつ）、英語での名称は 'arm bone'、ラテン語名は 'humerus' です。この骨は、四肢動物の前肢に位置する長骨であり、特に腕の構造に欠かせない役割を果たしています。人間では、左腕と右腕それぞれに1本ずつ存在し、上腕の支持に関与しています。

上腕骨は、近位端と遠位端から構成されており、近位端には半球状の上腕骨頭があります。この部分は肩甲骨と接続し、肩関節を形成します。遠位端では、上腕骨滑車と上腕骨小頭があり、これらが肘関節の構成要素として機能します。具体的には、上腕骨滑車は尺骨の滑車切痕に接し、上腕骨小頭は橈骨の頭と関与して腕尺関節と腕橈関節を形成します。

上腕骨はまた、多くの筋肉の起始点でもあります。その中には、円回内筋（上腕頭）、上腕筋、上腕三頭筋（外側頭および内側頭）、浅指屈筋、尺側手根屈筋、尺側手根伸筋、総指伸筋、小指伸筋、肘筋、長橈側手根伸筋、短橈側手根伸筋、腕橈骨筋、回外筋（外顆）などが含まれます。これらの筋肉は、腕や手の動きに重要な影響を与えます。

さらに、上腕骨に終止する筋肉も豊富です。烏口腕筋、棘下筋、棘上筋、肩甲下筋、小円筋、広背筋、三角筋、大円筋、大胸筋などが該当し、これらの筋肉が協同して腕の動きをなによりもサポートしています。

動物においては、犬や猫などの種によって上腕骨の形状や構造に特徴が見られます。例えば、犬では上腕骨滑車の近位に滑車上孔が存在し、猫においては内側上顆近位に顆上孔があり、ここを正中神経と上腕動脈が通過します。これらの特徴は、種ごとの運動機能や生活スタイルに大きく寄与していると考えられます。

上腕骨は、人間だけでなく多くの動物において非常に重要な役割を果たしています。これによって、様々な動きや活動が可能となり、四肢動物の生活を支える基盤となっています。今後も解剖学的な研究が進むことで、この骨についての理解がさらに深まることが期待されています。

参考文献

• - 森於菟（著） 改訂 森富「骨学」『分担 解剖学1』（第11版第20刷）金原出版.
• - 森於菟（著） 改訂 森富「骨学」『分担解剖学1』.
• - 森於菟（著） 改訂 大内弘「筋学」『分担解剖学1』.

上腕骨についてさらに詳しい情報は、専門文献や解剖学の資料を参照してみると良いでしょう。

もう一度検索