囲碁 (雑誌)

圍碁（いご）

『圍碁』は、かつて誠文堂新光社から発行されていた日本の囲碁専門月刊誌です。1951年7月に青桐社から創刊され、1954年6月に誠文堂新光社へ移籍。長らく囲碁ファンに親しまれてきましたが、2012年4月5日発売の5月号（通巻737号）をもって休刊となりました。

概要

本誌はB5判で、毎月5日に発売されていました。主な内容としては、プロ棋士による棋戦の棋譜紹介、アマチュア向けの囲碁講座、そしてアマプロ対抗戦などの独自企画が掲載されていました。初代編集長は岩谷泉が務めました。

特徴的な試みとして、以下のような記事や企画がありました。

「置碁検討録」: 1951年から1975年まで、前田陳爾による長寿連載。
「馬暁春 機略縦横 私の布石戦略」: 1995年から1997年にかけて、中国のトップ棋士である馬暁春が自身の対局を解説。
「芮廼偉九段VSプロ精鋭」: 1996年、来日中の芮廼偉九段が、日本のプロ棋士5名（結城聡、小松英樹、山城宏、森山直棋、宮沢吾朗）とそれぞれ三番勝負を行うという企画。
ケン・コーポレーション協賛企画: 2001年からは、ケンコーポレーションの協賛による棋戦が実施されました。
「坂井秀至・試練の12番勝負」: アマチュア時代の坂井秀至の対局を掲載。
「新鋭プロVSアマ強豪打込み12番勝負」: 2006年から2007年にかけて、若手プロ棋士とアマチュア強豪が、互いに手合を変えながら対局する企画。
「女流プロVSアマ精鋭打込み12番勝負」: 2008年には、女流プロ棋士とアマチュアが同様のルールで対局。
「ワールドケンカップ プロアマオープントーナメント」: 2011年には、若手プロ5名とアマチュア7名によるトーナメント戦が開催されました。

付録「名局細解」

『圍碁』の名物企画として、「名局細解」がありました。これは毎号1局の棋譜を詳細に解説した冊子で、1冊あたり96ページ程度のボリュームがありました。年間購読者向けには、1年分の12冊を箱に入れて購入できるサービスも提供されていました。また、過去の名局細解から棋士ごとに4局を選び、まとめた単行本も刊行されていました。

長年にわたり囲碁ファンに愛された『圍碁』ですが、部数の低迷により休刊という決断に至りました。しかし、その歴史と功績は、日本の囲碁文化に深く刻まれています。

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