結城聡

結城聡：武闘派棋士、その軌跡と囲碁への情熱

結城聡（ゆうき さとし）は、1972年2月11日生まれ、兵庫県神戸市出身の囲碁棋士。関西棋院に所属し、佐藤直男九段門下。その棋風は「武闘派」と称され、数々のタイトルを獲得、囲碁界にその名を刻んでいます。

プロ入りと若き日の活躍

8歳で囲碁を始めた結城は、瞬く間にその才能を開花させます。12歳という若さで関西棋院に入段。藤沢秀行の研究会では、坊主頭から「少林寺」という愛称で呼ばれ、その頃から攻撃的な棋風で注目を集めました。

新人王戦での準優勝、早碁選手権戦での準優勝など、若手時代から数々の棋戦で活躍。1993年には本因坊戦リーグ入りを果たし、着実に実力を高めていきました。

タイトル獲得と棋士としての円熟

1995年、早碁選手権戦で優勝。1996年には関西棋院第一位決定戦で初優勝を飾ります。1997年には九段に昇段。同年、碁聖戦で初の五番勝負に挑みますが、依田紀基碁聖に敗れます。しかし、2003年には鶴聖戦、2004年にはJALスーパー早碁で連続優勝。2005年には竜星戦で優勝するなど、その勢いは止まりません。

2010年、第36期天元戦で山下敬吾天元を破り、悲願の七大タイトルを獲得。同年には、関西棋院史上3人目となる通算1000勝を達成。2013年には十段戦で井山裕太十段を破り、十段位を獲得。数々のタイトルを手中に収め、その実力を不動のものとしました。

NHK杯での圧倒的な強さ

結城聡の強さを語る上で欠かせないのが、NHK杯での活躍です。2009年から2010年にかけて連覇を達成し、2012年から2014年には前人未到の3連覇を達成。第56回から第61回までのNHK杯における通算成績は26勝1敗という驚異的な数字を誇ります。早碁棋戦における圧倒的な強さを見せつけました。

棋風と人物像

結城の棋風は、石の働きを重視する戦闘的なもので、「武闘派」と称されます。早碁を得意とし、スピーディーな展開の中で力を発揮します。

トレードマークは、中学時代から変わらない坊主頭と、180cmを超える長身。趣味は鉄道で、特に時刻表を引くのが好き。地方での対局には、時刻表を片手に鈍行列車で移動するほどの鉄道好きです。

阪神タイガースとオリックス・バファローズのファンであり、試合結果に一喜一憂する姿は、多くのファンに親しまれています。

タイトル歴

十段 1期 (2013年)
天元 1期 (2010年)
NHK杯テレビ囲碁トーナメント 5回 (2009-2010, 2012-2014年)
竜星戦 2回 (2005, 2015年)
新人王戦 1回 (1993年)
早碁選手権戦 1回 (1995年)
スーパー早碁 1回 (2003年)
鶴聖戦 1回 (2003年)
大和証券杯ネット囲碁オープン 1回 (2013年)
関西棋院第一位決定戦 8回 (1996, 2006-2009, 2014-2016年)
* 産経プロアマトーナメント戦 5回 (2005-2007, 2009-2010年)

結城聡の軌跡

結城聡は、その独特な棋風と、数々のタイトル獲得によって、囲碁界に大きな足跡を残しました。武闘派として知られるその棋風は、多くのファンを魅了し、囲碁界の発展に大きく貢献しています。今後も、その活躍から目が離せません。

もう一度検索