図々しい奴

『図々しい奴』

概要

『図々しい奴』（ずうずうしいやつ）は、日本の作家柴田錬三郎が手掛けた小説であり、同名の映画やテレビドラマも制作されています。この作品は1950年代後半に『週刊読売』に連載され、戦時中から終戦直後の時代背景を持ち、作者の私小説的要素が含まれています。

あらすじ

物語の主人公は戸田切人（とだ きりひと）で、岡山県出身です。彼の名前は馬小屋で産声を上げたことから、イエス・キリストを連想させる「切人」と名付けられました。切人は極貧の環境で育ちながらも、生まれ持った図々しさを武器に世の中を渡り歩き、出世することを夢見ています。その途中で、彼は旧岡山城主・伊勢田家の跡取り息子・直政と運命的な出会いを果たします。二人の出会いがどのような影響を与えていくのか、物語は展開します。

映画化

1961年版

1961年、松竹によって製作された『図々しい奴』が最初の映画化作品です。この作品は白黒映画で、主人公・切人を演じたのは杉浦直樹です。また、同作品のキャストには高千穂ひづるや津川雅彦など多くの著名な俳優が名を連ねています。監督は生駒千里が務めました。

1964年版

その後、1964年には東映が同名のタイトルでカラー作品を制作しました。このバージョンは瀬川昌治監督のもとで製作され、谷啓が初主演し、杉浦直樹が直政役で再び出演しました。この映画の成功を受けて続編も制作されました。

続編

続編も東映が制作し、多くのキャストが前作と同様に出演しました。両作品ともに高い評価を受け、特に谷啓の演技が観客の心に残りました。

テレビドラマ

1963年から1963年にかけて、TBSで放送されたテレビドラマチェンもあります。このドラマでは丸井太郎が主役に抜擢され、全15回の放送が行われました。視聴率も高く、作品の人気を証明しました。

その他の展開

また、1970年代には漫画化もされ、横山まさみちや逆井五郎によってそれぞれ異なる雑誌で連載が行われました。その後も、2019年には全15話を収録したDVD-BOXが発売されています。

まとめ

『図々しい奴』は、戦後の時代背景を持つ物語であり、貧困からの立身出世を描いた作品です。小説、映画、テレビドラマと多様なメディアで親しまれ続けており、その魅力は多くの人々に深く刻まれています。

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