丸井太郎

丸井 太郎（まるい たろう）

丸井太郎は、1935年11月24日に東京府（現在の東京都）北区に生まれた日本の俳優で、実名は石上正治（いしがみしょうじ）である。彼は165cmの身長と約86.25kgの体重を持ちながら、女優としてのキャリアの道を模索した。

初期の経歴

高校時代、東京都立第四商業高等学校に在籍中、演技の道を志すことを決意。しかし、次第に演出家としての道を歩むことに興味を持ち、自ら演劇グループを立ち上げ、浅草吉田町の幼稚園を借りて演劇活動を行った。当初は痩せていたものの、卒業後の生活が不規則になり体重が増えてしまったと彼自身も振り返っている。その後、文学座舞台技術研究所に進学し、演出部の仕事に携わりながらも、飯沢匡の作品に端役として出演していく。

映画デビューとキャリアの歩み

研究所卒業後、初めのうちは照明部員として文学座に採用されるが、その後大映からのオファーがあり、映画業界に足を踏み入れる。丸井のデビュー作は1958年の『土俵物語』であり、そこでの経験が彼の出発点となった。以降、三角八郎とピン・ボケコンビを組むことになり、彼に名づけられた芸名でテレビでの活動を始める。

彼は喜劇映画に出演するが、なかなか目立つことができない時期が続く。1963年、テレビドラマ『図々しい奴』で主役に抜擢され、この作品は視聴率が30%を超えるという大ヒットを記録し、一気に人気を博した。

晩年と悲劇

しかし、その後の映画界は五社協定により、人気スターがテレビドラマに出演することが制約される状況が続いた。丸井もその影響を受け、映画界に戻ることを余儀なくされるが、提供される役は彼の才能を発揮するものではなく、大部屋俳優としての地位が続いた。そうした環境に絶望した彼は、1967年9月6日にガス自殺を図り、31歳という若さでこの世を去った。その際に残した手記には「妻にもう一度会いたい」という言葉が記されていた。

遺産と影響

丸井の死後、大映は経営の悪化が続き、1971年に倒産することとなった。彼が残した作品やドラマは、現在も多くのファンに知られており、彼の演技が持つ魅力は後世に刻まれている。彼の名は、日本のエンターテインメント界の中で、間違いなく記憶され続けるであろう。

代表的な出演作品

• - 映画:

- 『土俵物語』（1958年）
- 『黒蜥蜴』（1962年）
- 『悪名一番』（1963年）
- 『現代インチキ物語 騙し屋』（1964年）
- 『眠狂四郎円月斬り』（1964年）
- 『無茶な奴』（1964年）
- 『座頭市地獄旅』（1965年）

• - テレビドラマ:

- 『海底人8823』（1960年）
- 『図々しい奴』（1963年）
- 『土曜日の虎』（1966年）
- 『三匹の侍 第4シリーズ 第14話 新宿七福神』（1967年）

彼の短い人生における苦悩と才能、美しい時代の中での輝きは、これからも語り継がれていくことでしょう。

もう一度検索