図形文字

図形文字とは

図形文字（graphic character）とは、文字コード規格で定義された符号化文字のうち、一般的に使われる「文字」に相当するものです。これは、制御機能や書式に関わる文字を除き、手書き、印刷、表示などで視覚的に認識できる文字を指します。図形文字は、一つ以上のビットの組み合わせによって符号化されており、様々な記号や文字を含みます。

図形文字の定義

図形文字は、文字コード規格や情報処理用語規格によって定義されています。初期の文字コード規格では、制御文字に相当する機能文字は定義されていましたが、図形文字は明確に定義されていませんでした。その後、情報処理用語規格において図形文字の定義が確立され、「特定の図形を持つ文字で、表音や表意に用いられるもの」とされました。

図形文字の歴史

図形文字の定義は、文字コードの発展とともに変化してきました。初期の文字コードでは、制御文字が少なく、一文字で表されるものに限られていたため、図形文字は「機能文字以外の文字で、視覚的表現を持つ文字」と定義されていました。しかし、制御機能が増えるにつれて、制御文字に含まれない制御機能が生まれ、図形文字は「制御機能以外の文字で、可視化表現を持つ」と再定義されました。さらに、Unicodeの新しい版では、書式文字も図形文字の範囲外となり、「制御機能でも書式文字でもない文字で、可視化表現を持つ」と定義されました。

このように、図形文字の定義は、技術の進歩とともに複雑化し、その範囲も変化してきました。図形文字に含まれないものは「非図形文字」と呼ばれることもあります。

図形文字に含まれるもの

図形文字には、一般的な文字（ラテン文字、ギリシャ文字、仮名、漢字など）だけでなく、数字、約物、数学記号、矢印、罫線素片、ハートマークなどの記号類も含まれます。図形文字の種類や配列、コードの割り当ては、文字コード規格ごとに異なります。

ISO/IEC 2022|ISO_IEC 2022に適合したコード体系では、図形文字はGL領域（0x20～0x7F）またはGR領域（0xA0～0xFF）に割り当てられます。

情報処理用語の規格では、図形文字は以下のグループに分類されています。

数字
欧字（英字、その他の欧字）
漢字
仮名
間隔文字
特殊文字

これらの分類は、表現に多少の違いがあるものの、ほぼ同じ範囲を指しています。ただし、間隔文字は、現在では制御文字に含まれていますが、以前は図形文字に含まれていました。

スペース（空白）の扱い

一般的に、[スペース]は空白の、空白は[スペース]の訳語として用いられますが、情報処理においては、空白（文字）と間隔（文字）は明確に区別されます。

空白（文字）: 図形文字の一つで、文字列において空いている位置を表す文字。
間隔（文字）: 制御文字の一つで、印字位置や表示位置を、図形文字を作成せずに進める文字。

かつては間隔文字も図形文字に含まれていましたが、現在では制御文字として扱われています。ただし、文字集合によっては区別されていない場合もあります。

図形文字は、文字コードにおける重要な概念であり、様々な情報を表現するために不可欠な要素です。その定義は、技術の進歩とともに変化し続けており、今後もさらなる進化が期待されます。

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