国久松一

国久松一 - 早逝した快進撃の二塁手

国久松一（くにひさ しょういち）は、1919年5月15日に大阪府で生まれ、プロ野球選手として南海軍に所属しました。彼は主に二塁手および外野手として活躍し、その短いキャリアの中で強烈な印象を残しました。

プロ入りとその活躍

国久は、興國商業から1939年に南海軍に入団しました。彼のプロデビューは、多くの期待を背負ったものでした。入団直後の開幕戦では、いきなり4番・二塁手という重要なポジションに起用され、その実力を証明することとなります。彼のプレースタイルは、優れた守備力に加え、俊足と強肩が魅力でした。特に、遠投127メートルを記録したことから「バカ肩国久」と呼ばれ、ファンから親しまれました。

国久は、入団した年からレギュラーとして活躍し続けましたが、翌年以降はチームに新たに加わった鶴岡一人や岡村俊昭に影響され、主に2番バッターとして起用されるようになりました。その後、トップバッターとして重要な役割を果たし続け、打撃力でも貢献しました。

データと成績

国久の成績は特筆すべきものであり、初年度から三塁打を11本記録するなど、その長打力も素晴らしかったです。さらに、平均して22～3盗塁を決めるほどの俊足を持ち、チームに必要な得点力を提供しました。彼のプレースタイルは多岐にわたり、守備、走塁、打撃すべてにおいてバランスの取れた選手として名を馳せたのです。

戦争の影響

しかし、彼の野球人生は長く続きませんでした。第二次世界大戦の影響で1943年に召集され、ビルマで戦死する運命を辿ります。国久の実働期間はわずか4年でしたが、その期間に残した功績は非常に大きく、彼の名前は今でも記憶されています。

追悼の意

戦後、国久松一の名は東京ドーム敷地内にある鎮魂の碑に刻まれています。これは彼のプロスポーツ選手としての偉業のみならず、若き命が戦争によって奪われたことへの哀悼の意を示すものです。多くのファンや後進の選手たちが、彼の記憶を忘れず、球場に足を運び、彼の栄光を讃えています。

関連情報

国久松一についての情報は、彼が所属していた南海軍やその後の福岡ソフトバンクホークスに関する資料の中でも多く見受けられます。彼のプレースタイルやプロ野球界における影響力を知ることで、より深く日本の野球史を理解できることでしょう。国久のような選手たちの努力と献身が、今のプロ野球の発展へと寄与しているのです。

もう一度検索