国会議事堂 (ハンガリー)

ハンガリー国会議事堂について

ハンガリーの国会議事堂は、ブダペストの美しいドナウ川のほとりに位置する国家の中枢機関です。ハンガリー語では「Országház」と表記され、その壮大な外観は訪れる人々を魅了しています。全長268メートル、幅123メートル、高さ96メートルのこの建物は、ハンガリー国内で最も大きく、さらにヨーロッパで二番目、世界で三番目の大きさを誇ります。

建設の背景

国会議事堂の建設は、1867年のオーストリア＝ハンガリー君主国の成立を受けて始まりました。当時の政府は、1880年に国の独立を象徴し、国を代表する新たな議事堂の建設を決定しました。設計はシュテインドル・イムレに委ねられ、1885年に着工。1896年にはハンガリーの千年祭が行われ、この議事堂もその一環として重要な役割を果たしました。しかし、シュテインドルは1902年にこの建物の完成を見ることなく亡くなりました。

このプロジェクトには約1000人が関与し、4千万個のレンガや50万個の宝石、40キログラムもの金が使用されたと言われています。1989年には、この場所で「ハンガリー人民共和国」から「ハンガリー共和国」への改称が宣言されるなど、歴史的な瞬間も刻まれました。

建築様式と内部の特徴

この国会議事堂は、ゴシック・リヴァイヴァル様式の代表的な建物であり、左右対称のファサードと中央にそびえるドームが特徴です。内部には10の中庭、13のエレベーター、27の門、29の階段室、そして691の部屋があり、その広さと構造は圧倒的です。

この「96」という高さは、1896年の千年祭と896年のアールパード公によるカルパチア盆地の征服を記念しているとも言われます。外観には242体の彫刻が施されており、歴代のハンガリーの統治者や有名な軍人の像が立っている他、威厳ある正面玄関には2頭のライオンの像が守っています。

議事堂の内部と見学ツアー

国会議事堂内部では、聖イシュトヴァーンの王冠やその戴冠式に使用される宝物が展示されており、観光客はガイドとともに、その豪華な装飾を楽しむことができます。見学では、美しいフレスコ画やシュテインドルの胸像、さらにはアールパード公やイシュトヴァーン1世の像などの貴重な芸術作品を鑑賞できます。

特に注目されるのは、16角形の形をした議場で、ここで現在の国会が開催される唯一の場所です。議場にはその独特な形状と美しいデザインがあり、重要な決議がここで行われています。また、ロート・ミクシャによるステンドグラスの美しさも、多くの見学者の心をつかむ要素の一つです。

まとめ

ハンガリー国会議事堂は、その壮大な規模と美しいデザインから、ブダペストを訪れる際には欠かせない観光地となっています。歴史的な背景と芸術的な価値をもつこの場所は、ただの議事堂以上の、ハンガリーの誇りを象徴する存在となっているのです。国会議事堂を見学することで、ハンガリーの豊かな歴史と文化を深く理解することができるでしょう。

もう一度検索