国分城 (大隅国)

国分城について

国分城は、鹿児島県霧島市国分中央に位置していた日本の城です。別名として、「国分新城」「国分御屋形」「舞鶴城」とも呼ばれていました。この城は、島津氏の歴史において重要な役割を果たしました。

歴史

1604年頃、島津義久はそれまで居城としていた富隈城から、新たに築城した国分城へと移り住みました。縄張りの設計は、明から帰化した江夏友賢が担当しました。義久は城下町を整備し、京都風の碁盤の目を設け、明の商人たちを招いて「唐人町」を形成するなど、城下町の発展に力を注ぎました。しかし、1611年に義久が亡くなると、その娘である亀寿姫が、夫である島津家久（忠恒）との別居を命じられ、鹿児島城から国分城に移り住むことになりました。

1630年に亀寿姫が死去した後、国分城は藩主直轄の地となり、地頭屋形が置かれました。その後の時代において、国分城は薩摩国と大隅国の境に位置するという地理的な優位性から、藩主が鹿児島城から国分城へと移転する計画が幾度も持ち上がりました。島津斉彬の時代には、城下の測量まで行われましたが、斉彬の急逝により、この計画は実現には至りませんでした。

明治時代に入ると、1877年の西南戦争の際には、山縣有朋がこの城に駐屯しました。その後、国分城の跡地には霧島市立国分小学校が建設され、現在に至っています。

構造と現状

国分城の構造は、それまでの島津氏の城に多く見られる中世屋形の形式を踏襲していました。また、背後の山を「隼人城」として後詰めの城としたことで、富隈城よりも防御機能に優れた場所に位置していました。この裏山は、養老4年の隼人の反乱で使用された「曽於乃岩城」であるという説もあります。現在、この裏山は「城山」と呼ばれ、霧島市立国分郷土館が設置されています。

現在、国分小学校の周辺には石垣と堀の一部が残っています。また、旧国分城の南門であった「朱門」は、藩士の屋敷に移築された後、現在もその姿を見ることができます。

国分衆中

慶長10年（1605年）には、「慶長10年国分衆中」として569家の名簿が記録されています。主な国分衆中には、以下のような人物がいました。

東郷藤兵衛尉（東郷重位）
平田平蔵（平田宗弘、後名は狩野介、平田正房・平田靱負親子の先祖）
相良勘解由次官（相良頼豊）
調所大炊左衛門尉（調所広郷の養父の先祖）
東郷安房入道（東郷重治）
町田縫殿助（町田久門、後名は駿河守）
皿良善介（皿良貞資）
瀬戸口三左衛門尉
平田久兵衛尉（平田宗親）
喜入大炊助
椎原与右衛門尉（椎原国林）
福屋七介（後名は五郎兵衛）
川上治部左衛門尉

これらの人物の多くは、義久に従って鹿児島や浜之市から移住し、義久や亀寿の死後に鹿児島城下に移住したとされています。

脚注

国分城に関する情報は、以下の資料や研究に基づいています。

関連項目

日本の城一覧

外部リンク

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