国場川

国場川（こくばがわ）

国場川は、沖縄本島南部を西に流れる、国場川水系の本流となる二級河川です。その源流は与那原町と西原町の境にある運玉森一帯にあり、南風原ダムから流れる安里又川と、与那原町板良敷を源とする宮平川、南城市佐敷手登根を源とする手登根川が南風原町中部で合流し、国場川となります。

川は西へと流れ、那覇市に入ると南東から長堂川が合流。さらに豊見城市との境界をなす地点で、川幅が広がり漫湖を形成します。この漫湖は沖縄県最大の干潟であり、1999年にはラムサール条約に登録された重要な湿地です。漫湖南部では饒波川が合流し、那覇大橋付近で再び川幅が狭まり、那覇市街南部を潤しながら東シナ海（那覇港）へと注ぎます。

上流部の源流付近は森林と耕作地が広がりますが、中流部では国道329号が並行し、市街地が形成されています。下流部は商業地が密集する那覇市街を流れ、那覇大橋から明治橋にかけては、沖縄都市モノレールが高架上を走っています。かつては沿岸を沖縄県営鉄道（通称「けーびん」）が走り、与那原町へと人々を運んでいました。

国場川は、流れが緩やかで河川長も短いことから、流域人口の増加に伴う生活排水や、畜産排水の影響を受けやすく、1986年には「日本で最も汚れている川」ワースト4にランクインしてしまいました。その後、漫湖の環境維持のために、水質改善の取り組みが行われてきましたが、いまだに課題は多く残されています。

近年では「国場川こいのぼりまつり」などの地域振興の取り組みも行われ、平成28年度には手づくり郷土賞を受賞するなど、地域住民の生活と密接に関わる川として、その存在感を増しています。

流域の自治体

沖縄県
島尻郡南風原町
那覇市
豊見城市

主な支流

長堂川（南城市、島尻郡南風原町、八重瀬町、豊見城市、那覇市）
饒波川（南城市、島尻郡南風原町、八重瀬町、豊見城市）

国場川は、その歴史、環境、そして地域とのつながりにおいて、沖縄の自然と文化を象徴する重要な川と言えるでしょう。

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