国家大会議

モンゴル国の国家大会議

モンゴル国の国家大会議（Улсын Их Хурал）は、同国の立法府であり、国民の代表によって構成される一院制議会です。かつては「人民大会議」と呼ばれていました。本稿では、その歴史、構成、権限、選挙制度などについて詳しく解説します。

社会主義時代の国家大会議

1924年の憲法制定において、国家大会議は「人民大会議」として、ソビエト連邦型の最高意思決定機関として位置づけられました。その構成員は人口4000人につき1人の割合で選出され、任期は5年でした。休会中は「人民小会議」がその機能を代行しました。しかし、実際には都市部と農村部で選出基準に格差があり、農村部では人口2000人につき1人、都市部では人口1万人につき1人という比率でした。この格差は、当時の支配政党であるモンゴル人民革命党の政治戦略によるものだとする見方もあります。

民主化以降の国家大会議

民主化以降、国家大会議は大きく変容しました。最初の選挙では、定数430名で単純[[小選挙区制]]が採用され、別途、定数50名の国家小会議（比例代表制）が設置されました。しかし、1992年の憲法改正により国家小会議は廃止され、国家大会議は一院制議会として存続することになりました。定数は大幅に削減され76名となり、2008年の選挙では選挙制度が中選挙区比例代表並立制に変更されました。さらに2016年の選挙直前には、完全単純[[小選挙区制]]に変更されました。投票率が50%に満たない場合は、選挙は無効となります。

国家大会議の構成と権限

現在、国家大会議の議員定数は76名です。選挙は、中選挙区比例代表並立制（2016年以前）または完全単純[[小選挙区制]]（2016年以降）によって行われ、選挙区から選出される議員と比例代表制で選出される議員で構成されます。議員の任期は4年です。選挙権は18歳以上のモンゴル国籍を持つ国民に与えられ、被[[選挙権]]は25歳以上となります。

議長は議員互選で選出され、大統領に次ぐ地位にあり、立法府の議長であると同時に大統領代理の役割も担います。議長は国会運営を監督し、投票手続きに責任を負います。また、国家安全保障会議のメンバーにも自動的に就任します。

国家大会議の主な職務は、政府と協力して法律を制定・採択することです。また、議会の多数派を占める政党は大統領候補者を推薦し、議会は首相やその他の閣僚を承認します。大統領の拒否権は、議会の3分の2以上の賛成で覆すことができます。憲法改正にも議会の3分の2以上の賛成が必要です。

まとめ

モンゴル国の国家大会議は、同国の政治において中心的な役割を果たす立法府です。社会主義時代から民主化時代へと移り変わる中で、その構成や権限、選挙制度は幾度となく変化してきました。今後も、モンゴルの政治情勢の変化に応じて、そのあり方が議論され、変化していく可能性があります。

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