国家統一党

国家統一党について

国家統一党（National Union、ヘブライ語：האיחוד הלאומי）は、イスラエルの政治における極右および宗教政党の集合体であり、その機能を厳密に言うとただの政党というわけではありません。この党は、モレデット（祖国）、トクマ（復興）、ハティクバ（希望）といったいくつかの極右・宗教政党が結集して形成されたものです。エルサレムに本部を持ち、色はオレンジを採用しています。これは特にガザ地区撤退計画を象徴する色とも言われています。党首はヤアコブ・カッツが務めており、2012年には「ユダヤ人の家」という新たな政党に発展的に解消されました。

経歴

国家統一党は、1999年にレハバム・ゼエビ議員とリクードを離脱したベニー・ベギン元科学相によって設立されました。彼らは右派勢力の結集を目指し、同年の総選挙では約10万票を得て4議席を獲得しました。党首にはゼエビが就任。この後、党はイスラエル我が家と統一会派を組み、共に国会に進出することとなりました。

2001年には発足したアリエル・シャロン政権に参加しますが、ゼエビとシャロンとの間にはしばしば政策的対立が見られました。特に、シャロンが初めて「パレスチナ国家」を容認すると、二人の関係は決裂し、統一党は政権を離脱することを表明します。しかし、ゼエビ暗殺事件が起こり、彼の後を受けたベニー・エロンは、シャロンとの関係が悪化した状況の中、2002年には再度政権から離脱することになります。

2003年の総選挙では、我が家との統一名簿で戦い、7議席を獲得。その後、シャロン政権参加を果たしますが、ガザからのイスラエル国防軍撤退や全ユダヤ人入植地の撤去を含むガザ地区撤退計画に対して再び対立が生じました。特に、エロンはこの計画に反対したため、観光相の職を解かれました。2005年には、撤退計画の実施に際して地元でデモを行うなどの行動も展開しました。

同年末には、同派閥から我が家が離脱し、翌年3月には国家宗教党と新たに統一名簿を結成し、22万票、9議席を獲得。また、2009年の選挙前には合併を目指すも最終的には決裂し、単独で11万票、4議席を得たようです。総選挙後にベンヤミン・ネタニヤフを首相候補に推したものの、政策協議では合意に至りませんでした。

政策と理念

国家統一党は、その名前にふさわしく、イスラエルの絶対的な領土や権利を主張する大イスラエル主義を基盤としています。具体的にはエルサレムの分割やヨルダン川西岸からの撤退に断固として反対しています。党の幹部や党員は、常にユダヤ教の象徴であるキッパーを着用しており、宗教的な要素が強く色濃く表れています。

更に、党は西岸地区のパレスチナ人をヨルダン人と見なす独自の立場を持ち、これに基づいて外交問題に対するアプローチがなされています。加えて、宗教教育や宗教学校への公的支援にも熱心であり、公用語についてはヘブライ語を最優先にし、英語やロシア語を準公用語とすることを提唱しています。

このように、国家統一党はイスラエルの政治において重要な役割を果たし続け、その政策や立場は今もなお存在感を示しています。

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