国家開発銀行

国家開発銀行について

国家開発銀行（こっかかいはつぎんこう、英名: China Development Bank、略称: CDB）は、中华人民共和国における政策性銀行の一つです。中国輸出入銀行や中国農業発展銀行と並び、国家の経済発展を支える重要な役割を果たしています。その本店は北京市西城区に位置し、日本の湘南事務所をはじめ、全国各地に広がる支店網を展開しています。これにより、全国30の省や自治体、直轄市に資金供給を行っています。

設立の背景

国家開発銀行は1994年に設立されました。その目的は、当時の四大専業銀行が抱えていた政策融資と商業融資の二つの役割を分割し、商業銀行業務に特化することにありました。これによって、政策融資を新たに設立された三つの政策性銀行に移すことで、国家プロジェクトへの資金供給が強化されることを意図しています。初代行長には陳元氏が就任しました。

商業化と成長

国家開発銀行は、設立から約14年後の2008年に株式制銀行としての転換を遂げ、これを機にさらなる成長を続けました。新しい法人格として「国家開発銀行股份有限公司」が設けられ、登録資本は3000億元に達しました。この中で、51.3%は財政部が、残る48.7%は中央匯金公司が出資しています。

この期間に、同銀行は数多くの国家的プロジェクトへ資金を提供し、例えば世界最大の水力発電ダムである三峡ダムの建設を含む4000以上のインフラプロジェクトに投資してきました。資金の調達は主に国際金融市場での債権発行に依存しています。2011年度の総資産は約6兆元に達し、その成長ぶりは目を引くものでした。

地方政府との関係

国家開発銀行は、地方政府の資金調達システムの一環としての機能も果たします。高い貯蓄性向を活かし、銀行貯金を資金源とし、また土地使用権の値上がりを利用した融資手法を採用しています。これにより、都市化が急速に進行し、多くの地方住民が農村から都市部へ移動しました。このような流れは、国内での投資と生産性の急増を促し、中国のGDPを大きく成長させる一因となっています。

特に、2008年の世界金融危機時には、4兆元規模の景気刺激策が発表されましたが、そのうち大半が国家開発銀行の資金供給を通じて実行されました。このとき中央政府が直接投入したのはわずか1兆1800億元で、残りは国有銀行による支援によって賄われました。

主要プロジェクト

国家開発銀行が関与した主なプロジェクトには、次のものがあります：

• - 杭州湾海上大橋プロジェクト
• - 三峡ダム建設プロジェクト
• - 北京首都国際空港拡張プロジェクト
• - 上海浦東国際空港建設プロジェクト
• - 成都空港拡張プロジェクト

これらのプロジェクトは、中国の新たな経済の発展を支えるインフラを構築するための重要な基盤となっています。

まとめ

国家開発銀行は、単に融資を提供するだけでなく、中国経済の成長に対する影響力を持つ機関として機能しています。その資金供給やプロジェクト実行における役割は、国家の発展において不可欠なものとなっています。在り続ける中国の急成長を支え、その基盤として貢献していることが、この銀行の評価と影響力を高めています。

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