上海浦東国際空港

上海浦東国際空港

上海浦東国際空港（シャンハイプードンこくさいくうこう、Shanghai Pudong International Airport）は、中華人民共和国・上海市浦東新区に位置する国際空港です。上海市中心部から東へ約30kmの場所にあります。日本語では「ほとう空港」と読まれることもあります。

概要

1999年に開港したこの空港は、4000ヘクタールもの広大な敷地を有し、全長3400〜4000メートル、幅60メートルの滑走路を2組（計4本）備えた、24時間運用可能な国際空港です。空港は2つの旅客ターミナルを中心に構成されており、2019年9月にはサテライトコンコースが完成しました。さらに、3番目のターミナルと滑走路の増設が計画されており、完成時には年間利用者数は6000万人から8000万人、貨物取扱量は600万トンに増加する見込みです。

中国東方航空、上海航空、中国国際航空などのハブ空港として機能しており、国内外48の航空会社が乗り入れ、海外73都市、国内62都市とを結んでいます。2002年10月以降、上海市西部に位置する上海虹橋国際空港は国内線専用空港（一部国際線を除く）として利用されています。国際線から国内線への乗り継ぎには、最短4時間の乗り継ぎ時間（MCT）が設定されています。

空港には世界初の商業運用された高速磁気浮上式鉄道「上海トランスラピッド」が接続しており、市街地まで最短7分20秒でアクセスできます。

2019年の統計では、利用者数76,153,455人（中国第2位）、貨物取扱量3,634,230トン（中国第1位）、発着回数511,846回（中国第2位）を記録しています。

歴史

開港前

長年、上海の空の玄関口であった上海虹橋国際空港は、航空需要の増加に対応しきれなくなっていました。しかし、虹橋空港周辺は市街地化が進んでおり、拡張が困難でした。そのため、中国政府は虹橋空港の代替となる新空港の建設を決定し、長江河口に面した浦東沿岸を開発することになりました。工事は1997年10月に着工し、日本はODA事業として400億円、円借款として資金を拠出しました。

開港後

16.7億ドルの建設費と2年の歳月をかけて、1999年10月1日に開港しました。開港当初は1本の滑走路と2本の誘導路のみでしたが、その後拡張を続け、2005年、2008年、2015年にそれぞれ2本目、3本目、4本目の滑走路が供用開始されました。現在、5本目の滑走路が建設中で、完成後は中国商用機の飛行テスト専用となる予定です。

2007年からは虹橋空港でも近距離国際線が復活し、2008年3月にはターミナル2と西貨物ターミナルが供用開始されました。2019年9月にはサテライトコンコースがオープンしました。

将来計画

2025年にはターミナル3が供用開始予定です。マスタープランでは、3つのターミナルと2つのサテライトコンコース、そして5本の滑走路で、年間最大1億人の利用者に対応できる見込みです。

ターミナルビル

ターミナルはターミナル1（1号航站楼）とターミナル2（2号航站楼）の2つがあり、2008年3月26日にターミナル2が開業しました。両ターミナル間は無料シャトルバスが約10分間隔で運行しており、北・中・南の3つの渡り廊下でも移動可能です。渡り廊下には動く歩道も設置されていますが、両ターミナルは約500メートル離れているため、荷物が多い場合は時間がかかることがあります。両ターミナルの中間には、上海トランスラピッドと上海地下鉄2号線の浦東1号2号航站楼駅があります。中歩行道からは両路線を利用できますが、北歩行道からは上海トランスラピッドのみ、南歩行道からは上海地下鉄のみ利用可能です。各ターミナルには売店や飲食店があり、北歩行道と中歩行道の間の駅付近にはファストフード店街もあります。

両ターミナルとも、手荷物検査後の待合エリアでは、無料の無線LANインターネット接続サービスが提供されています。利用には、携帯電話のSMSで暗証番号を受け取って入力する必要があります。ただし、サービスが予告なしに中断されたり、利用できない場合もあり、グレート・ファイアウォールによる検閲も行われているため注意が必要です。

2019年9月には83の搭乗ゲートを持つサテライトコンコースが開業しました。延床面積は62万平方メートルで、ターミナル2（49万平方メートル）を上回ります。上から見るとH型をしており、S1とS2の区画に分かれています。S1はターミナル1と、S2はターミナル2と地下電車で連絡しています。

国際線から国際線への乗り継ぎについて

中国国内の国際空港では、国際線同士の乗り継ぎであっても、原則として中国の入国・出国審査を受ける必要があります。しかし、当空港をハブ空港とする中国東方航空は、ターミナル1内での自社便同士の乗り継ぎで、当日中に乗り継ぎが完了し、受託手荷物がスルーでチェックインされているなどの条件を満たす場合に限り、入国・出国審査なしで乗り継ぎを可能にしています。中国国際航空は乗り継ぎ窓口と手荷物検査のみで乗り継ぎが可能です。

就航航空会社と就航都市

（国際線および国内線の就航都市リストは省略）

アクセス

地下鉄

上海軌道交通2号線が浦東1号2号航站楼駅に乗り入れています。空港駅と広蘭路駅の間は、午前6時から午後9時53分まで運行しています。人民広場駅までは約80分です。かつては広蘭路駅で乗り換えが必要でしたが、現在は虹橋2号航站楼駅を経由する直通列車も運行しています。2010年6月現在、上海市中心部の駅まで7元で利用できます。2024年末には、上海虹橋国際空港と浦東国際空港を結ぶ高速鉄道が開通する予定です。

リニアモーターカー

上海トランスラピッドが浦東1号2号航站楼駅と竜陽路駅の間を結んでいます。約30kmの距離を約7分で運行しています。ただし、上海市中心部へ向かうには、竜陽路駅で上海軌道交通2号線または7号線に乗り換える必要があります。運行時間は竜陽路駅発が午前6時45分から午後9時40分、空港駅発が午前7時2分から午後9時42分です。

エアポートバス

複数の路線が運行しており、上海虹橋国際空港や上海駅、その他の市内主要地点へアクセスできます。また、杭州、蘇州、無錫、南京など近郊都市へのバスも運行しています。

タクシー

上海市内まで、150〜200元程度でアクセスできます。

上海虹橋国際空港へのアクセス

上海虹橋国際空港へは、以下の方法でアクセスできます。所要時間はいずれも約1時間半程度です。

上海軌道交通2号線
上海トランスラピッドと上海軌道交通2号線の乗り換え
エアポートバス1号線（直行）
タクシー

脚注

（脚注、出典、関連項目、外部リンクは省略）

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