国書刊行会 (1905-1922)

国書刊行会の概要

国書刊行会（こくしょかんこうかい）は、1905年に設立された日本の古典籍の編纂・刊行団体である。この団体は、埋もれてしまう貴重な文献や古書の保護と、出版の機会がなかった著作を世に出すことを目的として成立した。設立当初は、江戸時代の国学者である塙保己一の「群書類従」に倣った翻刻出版を進める旨の使命感が共有されていた。

設立の背景

設立者の今泉定介は、古典文学や歴史的文献が失われてしまうことに危機感を抱き、市島謙吉と共にこの団体を発案した。結果として、大隈重信を総裁、重野安繹を会長に迎え、非営利での出版活動がスタートした。初兵庫には957冊を刊行し、その後も70冊以上を追加し、最終的には260冊に達した。この活動は日本の古典籍に新たな命を吹き込み、文化の継承に寄与した。

初期の活動

国書刊行会は設立から数年の間に会員数が増加し、発足から1年もたたずに3000名以上の会員が参加するまでになった。初回の配本には『古今要覧稿 第一』と『近藤正斎全集 第一』が選ばれ、多くの読者に届けられた。その後も、様々なタイトルを刊行し、毎月2冊のペースで新たな文献を会員に提供することを目指した。

解散とその後

成立から17年後の1922年、国書刊行会は第8期の完結とともに解散を決定。しかし、その活動の精神は別の団体、続群書類従完成会として受け継がれ、同様に古典文献の刊行を継続することとなった。さらに、続群書類従完成会も2006年に経済的困難に直面し、その後は八木書店がその事業を引き継ぐ形で存続している。

終焉したものの影響

国書刊行会が刊行した著作や資料は、古典文学や歴史フォーラムにおいて引き続き参照され、研究の基盤となっている。また、現代においても、国書刊行会時代の文献が復刻され、古典の出版文化を再生させる試みが行われている。特に、1971年に設立された株式会社国書刊行会は、過去の刊行物を復刻する一方で、新たな研究資料の発行にも挑戦している。

さいごに

国書刊行会の活動は、単に文献の翻刻にとどまらず、日本の文化遺産を次世代に受け継ぐための重要な役割を果たした。その功績は今なお評価され、知の探求を続ける人々に多大な影響を与えている。

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