国本村

国本村：栃木県河内郡の消えた村の歴史

国本村は、栃木県の中部に位置し、かつて河内郡に属していた村です。北部は山地、西部は姿川流域を除いて丘陵地が広がり、村の中部以南は平坦な地形が広がっていました。男抱山、半蔵山、鞍掛山、雲雀鳥屋といった山々や、田川、姿川、宝木用水といった河川が村の自然環境を特徴づけていました。

国本村の成立と消滅

明治22年（1889年）4月1日、町村制の施行に伴い、宝木村、戸祭村上組、野沢村、岩原村、新里村が合併して国本村が誕生しました。しかし、昭和29年（1954年）11月1日、豊郷村、城山村、富屋村、篠井村の一部と共に宇都宮市に編入され、国本村は消滅しました。その間、昭和27年（1952年）6月1日には、宝木と戸祭の一部が既に宇都宮市に編入されています。

陸軍の進駐と都市化

明治40年（1907年）、大日本帝国陸軍第14師団が宇都宮に置かれることが決定すると、国本村宝木地区に兵舎や練兵場が整備されました。明治41年（1908年）には歩兵第66連隊、明治42年（1909年）には歩兵第59連隊が駐屯しました。その後、軍備縮小に伴い歩兵第66連隊は廃止され、跡地には栃木県師範学校が移転しました。

第二次世界大戦後、宇都宮市に隣接する国本村南部は急速な都市化が進みました。兵舎跡は引揚者などの収容所となり、練兵場跡は集団開拓者の開拓地として利用され、人口が急増しました。この人口増加に伴い、中学校の増設が必要となりましたが、村には財政的な余裕がありませんでした。そのため、近隣にあった宇都宮市立の中学校を活用するため、昭和27年（1952年）6月1日、国本村南部（大字戸祭 字 寺内・柿塚・野白、大字宝木 字 西岡・山崎・六軒・江黒・細谷）が宇都宮市に編入されました。

村名の由来

国本村という村名は、村内で大きな面積を占めていた宝木と新里の二つの地区の代表者によって議論されました。それぞれの地区が譲らず紛争になりそうになった際、新里の漢学に造詣の深い皇漢医が、「国の基礎（本）となる立派な村」という意味を込めて「国本村」を提案し、全会一致で決定されました。

教育

国本村には、国本村立国本中学校、国本村立国本中央小学校、国本村立国本西小学校、国本村立国本南小学校の学校が存在し、地域住民の教育を担っていました。また、現在も宇都宮大学学芸学部が村域に存在しています。

参考文献

『栃木県市町村誌』栃木県町村会、1955年8月20日

関連項目

栃木県の廃止市町村一覧
* 新里ねぎ

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