国民哀悼の日

国民哀悼の日について

国民哀悼の日（こくみんあいとうのひ）は、ドイツにおいて、戦没者やナチ党の暴力支配によって犠牲となった人々をしのぶための記念日です。この日は、毎年11月の第3日曜日に設けられ、式典が行われます。式典ではドイツ政府の首相や閣僚、海外の外交団が出席し、重要な行事が展開されます。
この日には「ドイツ戦没者慰霊の日」や「国民追悼の日」といった訳語も使われます。

歴史的背景

国民哀悼の日は1919年に始まりました。第一次世界大戦で戦ったドイツ軍人たちが埋葬された場所を管理するための国民連合が、この日を設けることを提案しました。1922年には初めての追悼式典がドイツ国会議事堂で行われ、1926年には国民哀悼の日が毎年復活祭前の第5日曜日に実施されることが決まりました。しかし、ヴァイマル共和国の憲法では法定祝日の設定権が明確にされておらず、各州で異なる方式と日にちで実施されるようになりました。

1934年にナチ党が権力を掌握し、その後「国家の祝日に関する法律」が制定されましたが、国民哀悼の日は採用されず、代わりに「第一次世界大戦英雄記念日」が新設されました。この新たな記念日は、戦死者を誇り高く思う英雄賛美のための日になり、開催日も宗教的な死者追悼の時期である11月から切り離され、3月16日に変更されました。

1945年以降、ナチスの「英雄記念日」とは異なる方向性を持つ追悼の日として位置づけられるようになりました。1950年には西ドイツ連邦議会にて、戦後初の政府主催の追悼式典が行われ、1952年には国民哀悼の日が再び11月の第3日曜日に戻され、戦没者と暴力支配の犠牲者をしのぶ日となりました。

追悼式典

近年の国民哀悼の日には、中央式典がベルリンの連邦議会で行われます。この式典では、連邦大統領が式辞を述べ、国歌と共に葬送の軍歌「俺にはいい戦友がいた」が奏楽されます。その後、連邦大統領が無名戦士の廟であるノイエ・ヴァッヘに献花する行事も行われます。また、ドイツ国内にある様々な戦没者追悼碑においても、同様の追悼式が執り行われています。

日本における国民哀悼の日

日本でも、ドイツ国民哀悼の日に関連した活動が行われています。代表的な例として、第一次世界大戦の青島攻防戦で捕虜となったドイツ軍人を追悼するため、1976年に板東俘虜収容所があった徳島県にドイツ兵士合同慰霊碑が建立されました。毎年この日には、大阪・神戸のドイツ総領事館の外交官が慰霊を行います。また、習志野市の習志野墓苑でも、捕虜生活中に亡くなった海軍軍人のための慰霊祭が行われています。

関連項目

• - リメンバランス・デー - イギリス連邦の哀悼記念日
• - ノイエ・ヴァッヘ
• - 全国戦没者追悼式
• - 千鳥ケ淵戦没者墓苑

国民哀悼の日は、ドイツのみならず国際的にも記憶と敬意を新たにする重要な日として位置づけられています。

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