外交団

外交団とは何か？

外交団とは、ある国に常駐する様々な国の外交使節団の総称です。複数の国の外交官が集まった集団ですが、単なる儀礼的な集まりであり、各国使節団の独立性を制限する権限や、国際法で定められた特別な職務は持ちません。

この外交団を束ねる長を外交団長と呼びます。20世紀以降は、信任状を最初に提出した特命全権大使、高等弁務官、またはローマ教皇庁大使が務めるのが慣例となっています。ただし、歴史的には必ずしも大使が務めていたわけではなく、公使が務めた例もあります。例えば、1904年から1905年にかけて、アルベール・ダネタン駐日ベルギー公使が駐日外交団長を務めていました。

東南アジア諸国連合（ASEAN）の場合は、外交団ではなくASEAN委員会が各国首都や国際機関所在地に設置されています。これは外交団とは異なる組織形態です。

駐日外交団

日本に常駐する外交団は、駐日外交団（または在京外交団）と呼ばれ、その長を駐日外交団長（または在京外交団長）と呼びます。日露戦争後の1905年11月1日、クロード・マクドナルド駐日英国公使が初代駐日大使に昇格し、駐日外交団長に就任しました。これが、駐日外交団長を大使が務めた最初の例です。それ以降、信任状提出日時の早い大使が外交団長を務めるのが通例となっています。

通常の駐日外交団以外にも、駐日アラブ外交団や駐日アフリカ外交団といった、特定地域の国々からなる外交団も存在します。これらは、それぞれの地域の国家間の連携強化や協力促進を目的として活動しています。

ASEANに関しては、ASEAN東京委員会（ACT）が設置されており、外交団とは異なる組織として活動しています。

外交団長の役割

外交団長は、外交団を代表する立場として、儀礼的な行事や外交上のコミュニケーションにおいて重要な役割を果たします。しかし、各国使節団の政策決定や外交活動に直接干渉する権限はありません。その役割は主に儀礼的なものであり、外交関係の円滑化に貢献する役割が期待されています。

外交団とASEAN委員会の違い

外交団とASEAN委員会は、構成メンバーや活動目的、権限において明確な違いがあります。外交団は、各国が独自に派遣した外交使節団の集まりであるのに対し、ASEAN委員会は、ASEANという地域機構によって設立された組織です。外交団は儀礼的な役割が中心であるのに対し、ASEAN委員会は、ASEANの政策決定や地域協力の推進といった、より具体的な役割を担っています。

まとめ

外交団は、各国外交使節団が集まった儀礼的な集団です。外交団長は、通常は信任状提出日時の早い大使が務めますが、歴史的には例外もありました。駐日外交団には、アラブ諸国やアフリカ諸国からなる外交団も存在します。一方、ASEANは、外交団とは異なる組織形態であるASEAN委員会を各国に設置しています。外交団は国際関係における重要な要素の一つであり、各国間の外交活動や友好関係の維持に貢献しています。今後も、国際情勢の変化に伴い、外交団の役割や構成は変化していく可能性があります。

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