国民民主党 (エジプト)

国民民主党（NDP）

国民民主党（こくみんみんしゅとう、英語: National Democratic Party、略称：NDP）は、1978年から2011年まで存在したエジプトの主要な政党です。この党は、エジプト社会のさまざまな立場を包摂することを目指しており、実質的には独裁政党としての性格を持っていました。特に、ホスニー・ムバーラク元大統領の在任中は、国の政治およびマスメディアに強い影響を及ぼしました。

歴史

国民民主党のルーツは、1976年にアラブ社会主義連合の中道派によって形成された政策集団「アラブ社会主義エジプト」にさかのぼります。2年後の1978年、アンワル・アッ＝サーダート大統領がこの政党を正式に設立し、党首に就任しました。アラブ社会主義エジプトのメンバーの大部分は国民民主党に移籍し、党の基盤が築かれました。

1981年、サーダートは暗殺され、その後ホスニー・ムバーラクが党首に就任しました。ムバーラクの下でNDPはさらなる権力を手に入れ、1989年には社会主義インターナショナルにも加盟しました。2011年のエジプトの民主化運動が起こると、ムバーラク大統領の次男であるガマールや党幹部が更迭され、多くの党員が離党して「新エジプト青年党」を結成する事態となります。4月には行政裁判所により党は解散命令を受け、資産も没収されました。

2012年10月、元国民民主党の議員77名は新たな政党「国民代表連合」を結成しました。その後、2014年にはカイロ行政裁判所が元党議員の選挙立候補禁止の判決を覆すなど、党の存在感は変わりつつありました。

イデオロギー及び政策

国民民主党のイデオロギーは主にアラブ社会主義に基づいており、国民の福祉や宗教的な価値、伝統、慣習との調和を重視しました。また、イスラーム法の尊重や民主化、国民参加、経済的・社会的・政治的発展も掲げられました。NDPは中道左派・社会民主主義の国際組織である社会主義インターナショナルにも加盟していましたが、2011年の反政府デモにおける武力行使が問題視され、その資格を一時停止されました。

党首と機関紙

国民民主党の党首は、設立当初がアンワル・アッ＝サーダート、1981年からはホスニー・ムバーラクが務め、2011年にはアフマド・シャフィークが党首に就任しました。また、NDPの機関紙には「Mayo」や「Islamic Liwa」があり、国民への情報発信を行っていました。

国民民主党は、エジプトにおける現代政治の象徴的な存在でしたが、長年の支配体制が崩れ去る過程で、多くの党員が新たな活動を始めることとなりました。

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