国界橋

国界橋：新潟と長野を結ぶ橋

国界橋は、新潟県糸魚川市と長野県北安曇郡小谷村の境を流れる蒲原沢に架かる橋です。現在、初代と3代目の2本の橋が国道148号と県道として利用されています。

初代国界橋（新潟県道375号平岩停車場蒲原線）

1936年12月に完成した初代国界橋は、それまで利用されていた猫鼻の橋を経由するルートが姫川の増水で何度も流失したため、葛葉峠経由のルートに変更された際に建設されました。1953年には二級国道148号に指定され、1965年には一般国道148号となりました。しかし、1994年に新橋が完成したことで新潟県道375号平岩停車場蒲原線に降格しました。

1995年の7.11水害では土石流により一部損傷しましたが、新橋が流失したため、修復され国道の迂回路として機能しました。

構造

全長48.1m、最大支間長34mのアーチ橋で、アーチ部分は赤く塗られています。バランスタイプの鋼スパンドレル・ブレーストアーチという珍しい形式で、全国でも2例しかない貴重な橋として、日本の近代土木遺産に選定されています。長野県側はスノーシェッドで覆われた急カーブとなっており、国道時代には難所として知られていました。川床から高い位置に架橋されているため、土石流に強い構造となっています。

2代 国道148号新道旧橋

1994年11月25日に完成した2代目の橋は、国道148号の平岩バイパスおよび小谷道路の一部として利用されましたが、1995年の7.11水害で土石流により姫川本川へ流出してしまいました。ラーメン橋でしたが、橋桁ごと約200m流され、現地で解体撤去されました。湯原トンネルの線形の影響で、初代の橋よりも川床に近い位置に架橋されていました。

3代 国道148号新道新橋

1996年12月6日には蒲原沢で土石流災害が発生し、河川工事に従事していた作業員14名が亡くなるという痛ましい事故がありました。その教訓を踏まえ、1998年12月3日に3代目の橋が完成しました。

構造

長大なトンネルに挟まれた場所に位置し、道路の線形修正が困難なため、2代目の橋と同じ場所に建設されました。土石流災害の再発防止のため、下路式アーチ橋に変更され、雪の付着や落下を防ぐためにアーチ部材の断面を三角形にするなどの工夫が凝らされています。アーチ部分は淡緑色に塗られています。

国界橋は、その歴史と構造を通じて、自然災害との闘い、そして人々の生活を支えるインフラとしての役割を物語っています。

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