国立先住民保護財団

国立先住民保護財団（FUNAI）とは

国立先住民保護財団（Fundação Nacional do Índio、略称：FUNAI）は、ブラジルに住む先住民族の権利と文化を守るために設立された政府機関です。FUNAIは、法務省の管轄の下で活動しており、ブラジルの首都ブラジリアに本部を構えています。設立当初から、先住民族の土地の権利や文化的遺産の保護を目的として、さまざまなプログラムや施策を推進してきました。

機関の役割

FUNAIの主な役割は、先住民族の権利を確保することです。そのために、未接触の部族との接触や土地の境界の決定、ならびに先住民族の文化や社会の保護を行っています。例えば、1973年の法律に基づいて、先住民族の土地を正式に認定し、その境界を明確にすることで無断での侵入を防ぐ取り組みを行っています。

また、FUNAIは先住民族のコミュニティと協力しながら、教育や医療、産業開発に必要な支援を行っています。これらの支援は、先住民族が持続可能な生活を営むための重要な要素となっています。

未接触部族の現状

2018年には、FUNAIがブラジル国内に107の未接触部族を特定し追跡していることが報告されました。これら未接触部族は、外部との接触を避ける生活を選んでおり、彼らの文化や伝統は非常に貴重であり、保護が求められています。

以前、FUNAIは未接触部族との直接的な接触を試みましたが、近年では主に空からの観測方法に切り替えています。これは、部族の安全を考慮した結果であり、無理に接触することで彼らの生活に害を及ぼさないよう配慮された措置です。

持続可能な開発と保護

FUNAIは、先住民族の権利保護に加えて、持続可能な開発も推進しています。それは、先住民族がその文化や伝統を維持しながらも、経済的に自立できるよう支援することを意味します。たとえば、農業や工芸における持続可能な実践を奨励し、彼らが自らの手で収入を得られるような支援を行っています。

結論

国立先住民保護財団は、ブラジルの先住民族の権利と文化を守るために重要な役割を果たしています。彼らは土地の境界を定めるだけでなく、教育や医療の支援を行い、先住民族がその伝統を尊重しつつ、持続可能な生活を送るための基盤を築いています。今後も、ブラジル政府はFUNAIを通じて先住民族の権利を守り続けることが求められています。

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