国立台湾師範大学附属高級中学

国立台湾師範大学附属高級中学

国立台湾師範大学附属高級中学（The Affiliated Senior High School of National Taiwan Normal University）は、台湾の台北市にある国立大学附属の高級中等学校です。略称は師大附中、附中と呼ばれています。この学校は、国中部を併設した完全中学であり、広大な83,925平方メートルの敷地を有しています。

概要

この学校は、台湾を代表する教育大学である国立台湾師範大学の実験中学としての役割を担っており、一般的な公立学校とは異なる独自のカリキュラムが特徴です。教育内容だけでなく、学校編成自体も実験的な要素が強く、他の公立高校と比較して進学のみを重視しない教育方針が採用されています。

特徴的なクラス編成

師大附中には、一般クラスの他に特徴的な実験クラスが数多く設置されています。過去には、中高一貫教育を試験的に実施する四二制実験班（1950年～1961年）がありました。また、科学教育実験クラス（1978年）、音楽教育実験クラス（1980年）、美術教育実験クラス（1989年）、語文資優クラス（2004年）など、他の公立学校では見られない特殊なクラスが設置されてきました。現在は、教育部の立案により、数学及び自然科学実験クラス（通称：科教班）が設置され、約100名の生徒に対して、理数系に特化した教育が行われています。これらのクラス編成に加え、教材も実験的なものが多く用いられています。

共学制と制服改革

台湾の多くの高校が男女共学である中、師大附中は、台北の伝統的な公立高校（建国、附中、成功、北一女、中山、景美）の中では唯一共学制を採用しています。1960年には一時女子生徒の募集が停止されましたが、1980年に音楽実験クラスが設立された際に女子の募集が再開されました。しかし、女子生徒の割合は少なく、現在は6クラスのみで、男女比は2:1から3:1程度となっています。

以前は、台湾の高校で軍事訓練が必須科目であったため、公立高校の男子生徒にはカーキ色の制服が一般的でしたが、師大附中では1983年に水色のシャツと紺色のズボンの制服に変更し、台北の高校における制服改革の先駆けとなりました。当初は、軍事訓練の必要性から新旧の制服が併用されていましたが、1988年には軍帽が廃止され、1991年には旧制服が全廃されました。この新しい制服の色と、広いキャンパスから、生徒たちは「藍天之子」と自称することもあります。女子制服は白いブラウスに薄灰色のスカートの組み合わせです。

沿革

この学校は、以下の歴史を経て現在に至っています。

1937年4月1日：台北州立第三中学校として設立。当時の学生は日本人子弟がほとんどで、台湾人学生は10%程度でした。
1945年12月5日：台湾省立第三中学と改称。
1946年1月25日：台湾省立台北和平中学と改称。
1947年4月1日：日本人学生全員が卒業。国共内戦により台湾に流入した外省人子弟の教育担当校に指定され、台湾省立師範学院の実験校となり、台湾省立師範学院附属中学と改称。高中部と国中部を設置。
1955年：師範学院が大学に昇格したことに伴い、台湾省立台湾師範大学附属高級中学と改称。台北県木柵溝子口に木柵分校を設置。
1960年：女子生徒の募集を停止。
1961年：「省弁高中、市弁初中」政策により国中部が閉鎖。
1965年：夜間部を設置。
1967年：国立台湾師範大学附属高級中学と改称。
1968年：木柵分校が独立し、現在の台北市立実践国民中学となる。
1980年：夜間部の生徒募集を中止。女子生徒の募集を再開。
1990年：国中部を再設置。

組織

歴代校長

この学校の歴代校長は以下の通りです。

台北北州立第三中学校
大欣鉄馬（1937年～1946年2月）
和平中学
何敬燁（1946年2月～1946年7月）（兼任）
葉桐（1946年7月～1947年5月）（兼任）
宗亮東（1947年5月～1949年7月）
附属高級中学
宗亮東（1947年5月～1949年7月）
黄澂（1949年7月～1962年8月）
黄季仁（1962年8月～1963年7月）
許伯超（1963年7月～1965年2月）
劉安愚（1965年2月～1973年7月）
黄振球（1973年8月～1988年1月）
蘇清守（1988年2月～1996年1月）
楊壬孝（1996年2月～2002年7月）
譚光鼎（2002年8月～2006年7月）
楊壬孝（2006年8月～2010年7月）
卓俊辰（2010年8月～2014年7月）
洪仁進 （2014年8月～2017年7月）
王淑麗（2017年8月～）

校歌

現行の校歌

師大附中の校歌は、黄澂校長時代に作られました。作曲は当時音楽教師であった史惟亮、作詞は歴史教師の郭橖と編集主任の蕭輝楷によるものです。

附中附中我們的揺籃、漫天烽火創建在台湾

玉山給我們霊秀雄奇、東海使我們拡大開展

我們來自四方、融會了各地的優点

我們親愛精誠、師生結成了一片

砥礪学行、鍛錬体魄、我們是新中国的中堅

看我們附中培育的英才、肩負起時代的重担

附中青年、絶不怕艱難

復興中華、相期在明天

把附中精神、照耀祖国的錦繡河山

日本統治時代の校歌

臺北第三中學校校歌は、作詞を大欣鉄馬、作曲を山田耕作が担当しました。

扶揺に羽搏（はう）つ 鵬（おほとり）の

影 黒潮の 波の秀（は）に

みそぎて常に 緑濃（みどりこ）き

島がね まもる をのこらの

をのこ鍛へむ 學びの舎

それ奉公の 躍進譜（やくしんふ）

調べも高く かなでつつ

かがやく興亜 聖業の

黎明春（れいめいはる）を 健やかに

かしまだちたる 學びの舎

拇指の嶺（みね） あかあかと

希望（のぞみ）の色に 映（は）ゆる時

大空ゆすり 昇（のぼ）る陽（ひ）の

姿に似たる 若人（わかうど）の

向上の意気 君見ずや

打て百錬（ひゃくれん）の くろがねに

咲けば萬朶の 櫻花（さくらばな）

正大の気の 寄るところ

知るや刻苦（こくく）の 試練にも

歓喜の泉 湧きくるを

姉妹校

師大附中は、以下の学校と姉妹校提携を結んでいます。

麻布中学校・高等学校
山形県立米沢興譲館高等学校
明法中学・高等学校
宮城県仙台第三高等学校
秋田県立角館高等学校
関西大学初等部・中等部・高等部

出身有名人

この学校の卒業生には、以下のような著名人がいます。

連戦（政治家）
許世楷（政治家）
メイデイ（音楽バンド）
王贛駿（宇宙飛行士）
李祖原（建築家、台北101の設計者）

外部リンク

師大附中

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