国立現代美術館 (韓国)

国立現代美術館 (MMCA)

国立現代美術館（MMCA）は、韓国の京畿道果川市に位置するソウル大公園内に設置された国立美術館で、韓国の近現代美術および国際的な美術作品を収蔵し、展示する重要な場です。1969年に設立され、以来国内唯一の国立美術館として、その役割を果たしてきました。現在は、ソウル市内、徳寿宮、清州市など複数の分館を持ち、それぞれ異なるテーマや時代の美術を取り扱っています。

施設の沿革

国立現代美術館の歴史は1969年に始まりました。その年、ソウルの景福宮内で開館し、1986年にはソウル大公園に移転しました。1998年には徳寿宮に分館を開館し、さらに2013年にはソウル館、2018年には清州館を新たに設けました。また、英文名称も「National Museum of Contemporary Art, Korea」に「Modern」が加わり、通称「MMCA」となっています。これにより、各館はそれぞれ特化した役割を持つようになりました。

各館の役割

• - 果川館: 韓国と世界の現代美術を中心に展示。
• - ソウル館: 21世紀に制作された現代アート作品やメディアアートを取り扱う。
• - 徳寿宮館: 20世紀初頭の韓国近代美術に焦点を当てる。
• - 清州館: 美術品の保管および修復を中心とし、作品の並べ替えと公開を行っています。

建築と展示空間

果川館

果川館は、ソウル大公園内に位置し、展示面積は7万3360平方メートルに及びます。また、彫刻庭園としての屋外展示空間も3万3000平方メートルを誇ります。ここでは、韓国現代美術の発展に寄与するため、1910年以降の美術作品を保存し展示しています。特にナム・ジュン・パイクの著名なビデオアート「大台殿」も展示されています。

徳寿宮館

この分館は1998年に開館し、ソウル北部の人々が利用しやすいように設計されました。展示ホールは4つあり、カフェやレストランも併設されており、総面積は約3428平方メートルです。この館では、専門的な講義や作家との対話ができるプログラムも用意されています。

ソウル館

ソウル館は2013年にオープンし、旧国軍機務司令部の敷地を利用しています。外部空間には「マダン」という公共空間の概念が取り入れられ、芸術イベントやプログラムを実施しています。この場所では、美術館の実務を学ぶための専門職コースや学童向けのコースも開講されており、幅広いリーチを持っています。

清州館

清州館は2018年に開設され、政府の国有芸術品の管理システムを構築するため、国の管理する美術品の保管および保存を専任しています。ここでも専門家の育成や作品の保管・修復が行われており、公共の場としての機能も果たしています。美術品に接する機会を広げるため、さまざまなプログラムにも力を入れています。

主な所蔵作品

国立現代美術館は、ナム・ジュン・パイクの代表作品を多数所蔵しており、その中には「多いほどよい」や「月はもっとも古いテレビだ」といった作品が含まれます。これらの作品は、現代美術の先駆者たちの理念や技法を理解する上で重要な役割を果たしています。

年表

• - 1969年: 景福宮内に国立現代美術館を開館。
• - 1973年: 徳寿宮石造殿に移転。
• - 1986年: 京畿道果川市に移転、地上3階建て。
• - 1998年: 徳寿宮美術館を徳寿宮内に開館。
• - 2013年: ソウル館を開館。
• - 2018年: 清州館を開館。

国立現代美術館は、その多様なアプローチを通じて、現代美術の理解と普及に努め、訪れる人々に新たな文化体験を提供しています。

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