国見トンネル (鹿児島県)

国見トンネル

国見トンネルは、鹿児島県肝属郡肝付町内を通り、肝属山地（国見山系）を貫く鹿児島県道561号神之川内之浦線に位置する道路トンネルです。全長は3,300mで、2002年12月18日15時に開通しました。このトンネルは、当時の高山町と内之浦町を結ぶ重要な交通路として機能しています。

概要

1986年からトンネル建設運動が始まり、1996年12月に建設省（現在の国土交通省）の「交流ふれあいトンネル・橋梁整備事業」に選定されたことで、建設が決定しました。1998年3月30日には国見山頂で起工式が開催され、2000年3月29日にトンネルは貫通しました。開通直前の2002年12月15日には、トンネル内でウォーキング大会が開催され、内之浦町側の入口では特産品の即売やフリーマーケットが開かれ、約3,000人の人々で賑わいました。

国見トンネルの開通以前、内之浦町から鹿屋市へは海沿いの国道448号を経由する必要があり、その距離は36km、所要時間は約55分でした。しかし、トンネルの開通により、両地点間の距離は27kmに短縮され、所要時間も20分短縮され、35分となりました。これにより、地域住民の移動の利便性が大幅に向上しました。一方で、トンネル開通に伴い、買い物客が旧内之浦町の中心商店街から鹿屋市や旧高山町へ流出するストロー効果も見られました。

詳細

国見トンネルの開通は、地域間のアクセスを向上させ、経済活動や地域交流を促進する上で大きな役割を果たしました。トンネル建設は、長年の地域住民の悲願であり、開通時には盛大な祝賀イベントが開催されました。現在も、このトンネルは地域住民にとって欠かせないインフラとして利用されています。

トンネルの交通量

2010年のデータによると、1日あたりの交通量は2,990台です。この数値からも、国見トンネルが地域交通において重要な役割を担っていることが伺えます。

参考資料

内之浦町誌編纂委員会・編『内之浦町誌』内之浦町長 高橋鐵男、2003年 pp.1094-1099
平成22年度道路交通センサス 鹿児島県公式ウェブサイト内。
* 高山町役場企画課「長年にわたる悲願がかなった記念すべき日 国見トンネル開通」『こうやま 町政の広場』平成15年1月号（第620号）、2003年。

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